「吃音ドットコムJR」サイト

Twitterでの疑問質問に答える




はじめに

ツイッターには吃音に関するつぶやきがあふれています.20数年前に解決済みなはずのことが,まだ繰り返されており苦しんでいる人がいっぱいいました.そこにある疑問点やアンケート結果をコメント付きで掲載しました.著作権の関係で題材として使わせていただいてるところもあります.参考にして楽になって治す方向に舵を切ってください.

いつの間にか増えて探しにくくなったのでジャンルごとに小分けしました.各ジャンルには上部の副目次(緑色)から行けます.ジャンル内では新しいものが上に来るように積み上げています

なお以下のものは20数年前からすでに「吃音ドットコム」サイトにあるものがほとんどです.詳しいことはそちらでどうぞ.すべては先輩吃音者からの体験がもとになっていますが,大量ですので探し出すには少し忍耐が必要です.

吃音の本質さえ理解できていれば,いろんな不思議や疑問が解決でき未来に向かって歩き出せます.




  1. 吃音の本質関係
  2. 吃音は心の病気ですが症状が言葉に出ます.だから本質がわかりにくい傾向があります.




    1. 吃音コニュニティー


    2. 吃音コミュニティは,吃音者が吃音情報を共有したり,仲間を作ったりと非常に吃音者の心をいやす素晴らしい集まりです.だから多くのこういった集まりができ盛んになってほしいものです(注1).

      ただ,ここにも限界があることを知っておかないと逆効果になってしまいます.
      吃音コニュニティーは,基本,吃音が治っていない人たちの集まりです.吃音が治ってない吃音専門の医者や関係者も入っていることもあるでしょう.当然ですが,治った方やほとんど問題なくなった人は資格?を失い卒業していってしまいます.また吃音と言う病気の治り方の性質から知らないうちに卒業していきます.だから,「右を向いても左を向いても吃音が治っていない人ばかり」という状況が出現しますから,「吃音が治らない病気であることは当然」と言うことが常識になる可能性があります.

      そのためなのか「吃音は治る病気」(注2)と言う情報に接すると違和感を感じるようになることもあります.吃音専門医でさえ治せないと言っているし,医師も自分の吃音を治せてないし,せっかくコミュニティで心の安定を得ているのに,それを乱す存在と映るのでしょうか?

      吃音を卒業した人で,崇高な志をもって吃音者の役に立ちたいと思うような人がこういう集まりにたくさん入ってくださると良いのですが,限界もあります.だから積極的にこのような人を探し出して話を聞く努力をしないと上記のような隘路に入ってしまう可能性があります.

      (注1) 究極的なことを言えば,吃音者がいなくなって(完治したり発症しなくなって)こういうコミュニティーはなくなった方が良いのです.もちろんこの研究所やサイトも.

      (注2)「吃音は治る病気」の証明は「一人治った人を探せばよい」ので簡単ですが,「吃音は治らない病気」の証明は「悪魔の証明」と言われる部類に入るものなので簡単にはできません.全員が治る病気かどうか?,それはこれからにかかっています.試行錯誤してみてください.「治らない人がいる」だったら証明は比較的簡単ですが.


    3. 親族に吃音者が多いと吃音を発症する可能性は高いのでしょうか?


    4. その傾向はあります.というのも,吃音の原因は
      @吃音になりやすい心の資質
      A吃音になりやすい環境
      が大きく関係しているからです.

      @の心資質は遺伝する可能性があります.親族に吃音者が多いということは,その心資質が強く吃音になりやすい心資質に傾いていて,それが子孫に伝わる確率が増えることを意味します.ただし,吃音そのものの遺伝ということではありません.
      Aの育児環境や家庭環境は世代連鎖で伝わっていく可能性があります.親が作る育児環境はその親の親の育児環境によって基本が出来上がっているからです.これも親族に吃音者が多いと周囲に同じ吃音を生じやすい環境が増えますので,常識として伝わる確率が増えます.

      @の心資質は今のところ自然の摂理に任すよりほかないですが,Aの環境は変えられます.本サイトのたくさんの完治者は,発症した後にAの影響を変えることによって治っています.


    5. 吃音の治り方


    6. 吃音を治った多くの方は吃音には興味がなくなる傾向にあります. おそらく,吃音の治り方の特性からくることが影響を与えているのだと思います.

      吃音は,一般的に言って,「そういえば長い間言葉のことなど考えてなかったなー」,「気がついたらかなり前から普通に生活していたなー」といった治り方をする方が多いようです.こういうことは,仕事や趣味などに夢中になっていたり,周囲の人々に恵まれていたり,緊急事態や大きな問題が起こっていて,全力をかけて解決に努力していたりして,ある程度の間心が充実した時に起こっています.吃音病の本質からは当然のことで,自然と吃音に関心がいかなくなっていた時に治っていたという状況です.

      だから本サイトでは一番楽な吃音の治し方として,やりたいこと,好きなこと,心躍るようなことなどをやることを推奨しています.吃音を持ちながらですから結構な勇気が必要ですが.問題は,これが吃音の治し方と思えないところです.


    7. 治った人のランクづけ(Rate of Recover from Stuttering)


    8. 吃音が治ったり軽くなった人を,便宜上「言葉を指標」として以下のようにランク付けします.吃るを言葉が出にくくなるの意味で使っています.

      1) RS=100: 100%治った人
      完全に治って一般の人と同じになってしまった人.言葉の問題など思い浮かぶことがない人

      2) RS=90: 90%治った人
      社会生活では言葉の問題は全くないけれど,家族など親しい人にはたまに吃る人

      3) RS=80: 80%治った人
      社会生活にはほとんど言葉の問題がないが,それでもたまに吃るか,吃ることを気にしている人.言葉がたまに出ないときは出す方法を身に着けている人

      4) RS=50: 50%治った人
      社会生活でたまに吃るが,何とか社会生活をしている人.吃らないでおこう,吃ったら困るなどと気にして,発表などを怖がり極力避けたいと思っている人

      5) RS=30: 30%治った人
      社会生活でまあまあ吃り,吃らないでおこう,吃ったら困るなどと気にして,結構苦しんでいる人

      100%治ったRS=100が理想ですが,90%治ったRS=90,80%治ったRS=80も吃音が治った人として問題ないと思います.
      このような人は,すでに吃音から心が離れており,普通の社会生活の方に関心の中心が移っています.せっかく忘れて治っているのに,あの忌まわしい状態に戻ったら大変だという心情も心の底にはあるかもしれません.

      吃音から離れて普通の人になっていますので,吃音コミュニティ?には入ってきません.症状も顔つきも普通になっていますので,吃音研究者でも元吃音者と分かるのは不可能です.特にRS=100%,RS=90%の人は無理です.当研究所では言葉のことではなく,トラウマがどれくらい消えているで吃音の度合いを判断していますが,80%治ったRS=80の人なら,注意深く長く観察していれば「もしかして」とわかるかもしれません.

      RS=50%はまだ治っているとは言えないけれど改善しており,苦しみながらもがんばっている人です.RS=30%は少しは改善しているけれど,まだまだ苦しんでいる人です.このランクにいる人には吃音がつきまとっていて現実的に大変な問題ですので,吃音に大きな関心があります.

      吃音コニュニティーは,基本,吃音が治っていない人たちの集まりです.RS=80以上のかたは卒業していってしまって,入ってくれない傾向もあります(崇高な志をもって吃音者の役に立ちたいと思う人は別です).だから,「右を向いても左を向いても吃音が治っていない人ばかり」,「吃音外来の先生まで吃音者」だったら,「吃音は治らない」ということになんとなく納得せざるを得ない雰囲気が醸し出される状況にあります.

      こういう情勢を考慮に入れると,吃音を治すためのヒントを得るために,RS=80以上の人を見つけて体験談を聞けるようにする努力が必要です.積極的にコミュニティ以外に出ていって,そうでない体験や情報を得ることも大切です.


    9. 自己紹介,5秒くらい硬直,動悸すごかったし手震えてた


    10. 吃音の人は吃音故自己紹介が怖くてこうなると思っています.それも少しはありますが,硬直,動悸,手震などが起こるのが吃音になりやすい性格からくるもので,これが吃音を発症させる大きな原因の一つです.人々の前に自分をさらすのが潜在的に怖いのです.

      本サイトでは「潜在的怖がり,恥ずかしがり」と言っていますが,言い換えれば「自己防御反応が強い」人です.だから終わった後で「変な人に見られているかも」と心配します.これに気がついて,少しづつ人前に出てそれほど怖いものでないことがわかってくると,言葉も出るようになってきます.吃音は言葉の病気ではなく心の病気なのです.


    11. 人前で時々言葉が出にくくなるのだけど,私って吃音


    12. 軽い吃音と思ってもよいと思います.もし,二人以上で唱和する時,問題なく言えたら完全に吃音の中に入ります. でも「私は吃音者だったんだ」,「今度言葉が出なかったらどうしよう」,「重くなったら困る」などと考えると吃音化スパイラルに入って抜け出せなくなります.
      だから,「吃音のようだけど,この程度ならそのうち治っていくはず.できるだけ楽しくイキイキ生きよう」と思っていると,本当に治っていきます.


    13. 吃音を持って生まれた人っているの?


    14. 非常にたくさんの幼児吃音者に関係していますが,いまだに「吃音を持って生まれた人」にはあったことがありません.
      逆に吃音になったような人は,言語能力が高いらしく言葉の習得が早く,幼児期,機関銃のように話しています.そして皮肉なことにこの言葉の成長が早いことが親に勘違いされ,その人の成長段階にふさわしくない成育環境ができてしまっています.それで吃音を発症している場合が多いです.2歳後半が発症の中心です.だから,「吃音を持って生まれた人はいない」が99.9%以上正解です.生まれつきだと言語発達障害に入れられているかもしれません.


    15. 吃音治療従事者と吃音経験


    16. 「自身が味わった苦しみを他の人に味合わせたくない」という崇高な志をもって,吃音経験者が吃音の研究者や医者,言語聴覚士,カウンセラーになる人も多いようです.このような人は,圧倒的に下記@,A,Bの人です.@の人は悪影響をあたえる場合もあります.

      @吃音が治らなかった人
      A吃音がある程度改善した人
      B吃音がほぼ完全近く治った人
      C吃音が完全に治って普通の人と同じになった人
      D吃音を経験してない普通の人

      上記A,Bの吃音が軽くなった吃音研究,治療関係者は自身が体験した以上のことには自信が持てません.自分の吃音を完治したCにしたいけどなれてないからです.吃音は治る病気,完治する病気ということに今一つうたがいの目が抜けません.また,「吃音が言葉の病」ということから離れることが殆ど困難です.この状態では「完治」ではなく「克服」と言う言葉を使いたがります.いろんな苦労をして何とか社会で生活するのに問題ないレベルまでこれたわけですから.A,Bで実用生活上問題がほとんどなくなったら十分です.吃音者の人たちはこれ以前のことで苦しんでいますから,大きな助けになっているはずです.

      Cの人は完全に治って普通の人になってしまっているので,吃音のことなどすっかり忘れてしまって普通の人と変わらない活動をしている場合が多いです.普通の人と同じ活動に追われて余裕がないせいか,また,再発したら困るという思いもあってか(再発しないのだけど),吃音関係の活動に携わっている人が多くないように感じています.この手の人がたくさん吃音活動に携わってくれると良いのですが.自身の体験から,自信をもって「吃音は治る病気」,「吃音は心の病気」を基本として活動してくれるはずです.

      これ以外にD吃音でない人が吃音関係の活動をする場合もあります.この場合吃音が言葉のつまりとして出るので言葉の病気と勘違いすることもあります.一方で心の病気と考える人は,一般の心の病気と同じと考えがちです.吃音は幼児期の心の成長を含む病気なので,幼児期の心の成長に関する専門家だとかなり的を得た治療になる可能性があります.でも非吃音者が吃音の症状を実感するのはほとんど不可能に近いことですので難しいところもあるのですが,一方でこれらの人は吃音を完全に客観的に見ることができるという良い点もあります.

      たまに青年期の暴力,不良行為,非行少年などの問題を取り扱う専門家が,その中でたまたま吃音者に遭遇しこの活動に入ってこられる人がいます.青年期に問題を起こすような人は,その問題の原因が幼児期の心の問題にあることが多いので,その吃音治療活動が意外と的を得た活動になっている場合が多いようです.

      このような背景がありますのでいろんな吃音治療が生まれています.多くの人がこの分野に入ってこないと,吃音者の苦しみを無くすことは不可能ですので,たくさんの先生や研究者がいることは良いことです. それだけにいろんなフェークを含んだいろいろな吃音論や吃音情報があふれています.

      ただ厳しい現実もあります.A,Bのように吃音が改善した吃音治療関係者は,原則として,吃音者を完治には導けないということです.完治には導く方法を知っていれば,まずはご自身の吃音を完治させているはずだからです.でもA,Bになればほとんどの苦しみから解放されるので,ありがたい存在です.

      だからCの完治吃音治療者にあたれば超幸運です.自分の吃音を治してもらえる確率が高いからです.ただ完全に治って普通の人になっているがゆえに,吃音に関する関心が薄まっている可能性もあり,吃音治療者としての数が少ないのが問題点です.

      吃音は病気ですから病院へ行くのが原則です.しかし,このような状況を理解したうえで,的確に判断してご自身の吃音に向かう知恵,吃音研究,治療関係者を選ぶことが必要なようです.見極める簡単な方法は「そこでどれだけの吃音者が治っているか」です.

      幼児の場合は数週間単位で完治することも多いので数えやすいのですが,大人の場合は早くて数年,一般的には十数年から数十年かかります.一生治らずにいる吃音者もいます.だから見極めにくいのですが,吃音の本質を分かっていないと治せないので,幼児の完治数でもかなり参考になるはずです.


    17. 吃音って治らない病気?


    18. 完全に治って普通の人と同じになった人が結構いますから「吃音は治る病気です」.これは完全に正しいことですが,そうはいっても全員が治せるかどうかはまた別の話です.と言うのも,吃音は病気の性質上,ごく普通に「いつまでも吃音者でいたい努力」を吃音者はしがちだからです. だから,吃音の本質を理解してツボを外さなければかなり多くの人が治ったり,実生活上問題ないレベルになっています.

      吃音経験者は次のように考える傾向にあります.
      @吃音が治らなかった人は「吃音は治らない病気」と言います.
      A吃音がある程度改善した人は「吃音は改善する病気」と言います.
      B吃音が日常生活ではほとんど出ず,たま〜に出る人は「吃音はほぼ完全に治る病気」と言います.
      C吃音が完全に治って普通の人と同じになった人は,自信をもって「吃音は治る病気」と言います.

      @からCまで,その時点でその人にとってはすべて正しいことです.AからCまではそういう人が多数存在しますのでそのとおりであるという結論が出ています.ただ@だけは,その人が死んだ時しか言えないので結論を出すのは時期尚早です.というか,その時は本人が死んでいるので言う人はいません.だから@は「これまでの経験では正しい」としか言えません.というわけでAからCまでが間違いなく正しいことで完全に証明されています.@の人も歳を取ると,話したり人と会ったりする機会を多く持つので,少なくともAになっている場合がほとんどです.

      だから吃音が治る,治らないと言っている場合は,@からCのどの立場で言っているのかを確かめる必要があります.


    19. 「吃音の原因は遺伝,脳,体質の問題だと考えられるようになってきたようですが」本当?


    20. そうですがもう一つ必要なものがあります.幼児期(1歳過ぎあたり)の環境です.20数年まえからわかっていたことですが,ようやく一般的になりつつあるようです.

      単純化すると,吃音は心体質(性格,資質)に幼児期のマルトリートメント(優しい虐待)が重なって発症している場合が多いようです.これと同じ原理で発症?する病気?が思春期を中心に起こる不良行為です.

      だから昔,吃音カウンセラーをやっておられた広瀬先生のように,刑務所で少年の心の問題を扱ってきた方が吃音カウンセルをされると,吃音の取り扱いをかなり的確になされたのではないかと思っております.自分ではどうしても解決できない,幼児期のマルトリートメントからくる心の隙間風を埋めようとする行為が,いろいろな犯罪を起こさせてしまうからです.その中には吃音者もかなり含まれていたようです.

      持って生まれた心体質と,幼児期のいつ,どのようなマルトリートメントを受けるかによってかかる病気?の種類が変わるようです.2歳前半の言葉が急激に発達する時期にこの状態に遭遇するとなるのが吃音のようです. 千人を超える幼児の吃音者からの情報に接していると,その思いが強くなってしまいます.でもこの事実を知ることによって,治る人がいっぱい増えてますから,真実を知ることの大切さがわかります.


    21. 「吃音者の脳に異常がみられるといわれていますが」本当?


    22. 何を異常と定義するのかわかりませんが,特徴がみられるのはおそらく間違いないと思います.

      日本でもマルトリートメントにあった幼児の脳に異常がみられるという研究成果(たしか福井大学)があります.吃音も幼児期のマルトリートメントが大きく関係していますからそれなりの特徴が見られてもおかしくありません.またこのことから,脳の異常は吃音者独特の現象ではないようです.

      「吃音者の脳に特徴がみられる」は真実でも,その特徴がマルトリートメントなどによってできた可能性が高いことを考慮しないと,「吃音は生まれつき,遺伝によってなる」,「治った人は遺伝的に,治るようにプログラムされていた」となって,「吃音者は治す努力なぞしてもしょうがない.えんえんと運命に従って吃音に苦しんでいくほかない」となります.これもつらい話です.でもこのような解釈を正しいとするには,やはり大きな無理が感じられます.治っている人がたくさんいますから.

      この脳の特徴(異常)が本研究所でいう「吃音トラウマ」で,「これを取れば治る」というのがここで言っている吃音の治し方です.たくさんの人が治っていますから,サイトにある先輩たちの体験談を参考にしてください.


    23. 吃音に薬が効くの?


    24. 薬と飲むと吃音が治るって最高ですね.
      昔,専門家も含めて真剣に議論された情報がありました.今読み返してみても価値のあるものです.
      「吃音ドットコム」→「●吃音と薬」
      ただ,人によって吃音に効くの「効く」という言葉の定義がいろいろありそうです. そこで「効く」という言葉の定義はっきりさせておきたいと思います.

      @薬を飲んでいる間,言葉が出やすくなる
      A薬をある期間飲むと,その後しばらくは言葉が出やすくなる
      B薬をある期間飲むと,その後一生言葉が出やすくなる
      C薬をある期間飲むと,吃音が治る.すなわち,吃音など何も考えない普通の人になる.

      どうも@やAの定義で「効く」を使っているようです.お酒も@に入りそうです.BやCであれば最高ですが,もしそうなら吃音ツイッターサイトが成り立ちませんからBやCは今のところないということです. 吃音以外でも心の問題に関する薬はなかなかむつかしいようですので,吃音も心の問題,だから難しそうです.だれか吃音と薬の研究に乗り出しませんか.

      「薬を飲む」→「吃音教室に行く」に変えるとこれはそのまま当てはまるようです.この場合も@,Aがやっとですね.でも時と場合によっては使える方法ですが,心の薬は使い方が難しいようですので専門医にかかる必要があります.




  3. 吃音発症と母子関係
  4. 吃音は乳幼児の時に発症する人がほとんどです.だからどうしても暗に陽に母親との関係が出ています.母親,母親の母親,母親の母親の母親...と芋つる式に出てくる場合もまれではありません.当然母親周りの関係もあります.


    1. 親に「他人に迷惑かけないような人間になれ」って言われているけど,迷惑かけそう


    2. 立派な親です.その通りです.

      でもこれをまじめに言葉どうり理解してしまうと,大変苦しいことになります.他人に一切迷惑をかけずに暮らすことなんてできません.お互いに迷惑をかけ助け合いながら生きていくのが人間社会です.

      言っている意味は「悪いことをして他人に迷惑をかけないような人になれ」ということで,煎じ詰めれば「悪いことをするな」ということです.吃音になるような人は根がまじめな人が多いのでついつい意味を取り違えてしまいます.


    3. 大人の吃音に親の影が見える?


    4. 最初のころは吃音そのものだけの相談だったのですが,大人の吃音の相談に応じていると,その親の影響が見え隠れすることがあります.というより,かなりの頻度で親の影響が見えます.

      これは親子関係とい究極のプライベイトの話ですからこちらからうかがうことはありませんが,相談者が自ら話してくれる場合があります.それを聞くたびに「やっぱりそうか」と妙に納得することがあります.

      女性の場合は大人になっても母親との確執が表面化している場合が多く,自分が子供を持ったらその子供(孫)に対する母親の態度で,ご自身の幼児期の様子が想像できるようです.まじめ,心配性,怖がり,完璧主義などで過干渉になっているのを見て,「私もあのように育てられたのか」と気がつくようです.

      男性吃音者と母親の場合はそんなに明確に見えない場合が多いですが,父親との関係が犬猿の仲というのもよくみられるケースです.吃音と言うのは家庭環境に関係している病気のようです.


    5. うちの母は人の話を最後まで聞かない。ちゃんと話を聞けとイライラする


    6. どこの家庭でもよくあることですが,こういうのが幼児期から続いてきたとすると大変ですね.吃音になった原因が垣間見えるようです.吃音は幼児期の環境が超大切.でも母親もそうだった可能性が大きいのです.


    7. もう心配しないでいいよっていう立派な姿を親に見せないと...


    8. 立派な子供ですね.そうとう立派な家庭で育っていると推測できます.
      こんなこと言ったら怒られそうだけど,ここに吃音になった原因の匂いがします.そんなに良い子にならなくてもっと悪い子になったら.親は親,自分は自分と割り切ったら.それでちょうど普通になれるかも.


    9. 保育園ではあまり吃らないけど家ではたくさん吃る.家と何が違うの?


    10. 吃音の発症は2歳ころで家庭環境も影響しています.この時一番関係している可能性があるのが母親です.目に入れてもいたくないくらいのかわいいわが子.常識ある良い子に育てようと一生懸命です.それが幼児の目線では嫌な体験や嫌な思いでとなって,潜在心にすくってしまってしまって,それが言葉の問題として出るのが吃音です.

      だからその時の雰囲気がない保育園では吃らずに雰囲気がある家では吃ってしまうのです.吃音の本質からは,しごく正常な反応です.

      「吃音は幼児期にはよくあること,大きくなれば治る」といわれてきたメカニズムの一つがこれです.保育園が楽しくてその時間が長ければ長いほど効果があります.


    11. 子供を産むと遺伝で子供が吃音になる.だから結婚できない?


    12. 基本的に,母親が吃音者でも子供は吃音にはなりません.

      吃音が遺伝するのならすごい単純です.遺伝以外には吃音にならないし治らないことも分かっているので治す努力も必要ないことになります. でも治ってる人もいるし遺伝以外でもなっている人もいるしどう考えても遺伝説は無理があります.

      研究結果では,吃音は内面成長が阻害されるような不適切な養育環境で発症することがわかっています.だから吃音は遺伝ではありえません.遺伝らしく見えるのは,不適切養育環境を作る世代連鎖と,怖がりなどのような吃音になりやすい性格の遺伝が関係しているからです.人間は幼児時代の親からの刷り込みによってその基本が作られ,親になったら自分の子供時代に刷り込まれたことを子供に行います.これが世代をまたいで受け継がれていくのです.世代連鎖です.だからぜひ吃音の本質を理解して,次の世代に伝えることを止めてください.

      とはいっても育児はかわいい反面想像を絶する状況が訪れることもあります.万が一乳幼児が吃音になっても,吃音の本質さえ理解していれば幼児の場合は週間単位で治せることが多いです.親サイトの「幼児吃音完治例」をご覧ください.だから,生まれてくる子供の吃音なんて何も考えなくてよいのです.このように心配することは,結果的に,「自分がいつまでも吃音でいたい努力」ばかりではなく,「生まれてくる子供を何とか吃音にしたい努力」になっているのです.吃音になりやすい性格が関係しています.


    13. 親子関係も悪くないしトラウマも思いつかないのに,吃音に親子関係関与している?


    14. どのように吃音を発症したか,その時どのような状況であったかを憶えている人はいないはずです.幼児健忘期という,人間の一番大切な内面(心の物差し)を作るときだからです.その時作った物差しをもとに世界を判断していきます.それほど重要な時だからこそ子育ては大変な時期になります.

      幼児期では,特に親は子供を良い子に育てようと一生懸命だし,子供も親のいうことを聞く良い子供になろうと一生懸命です.この関係が本人の生来の資質と成長段階にあっていないと,皮肉なことに,この良い関係が吃音を発症させてしまいます.こういう状況があるので,子供がある程度の歳になると良い親子関係ができあがる可能性も高いです.ただ,置き土産のように吃音が残ってしまいます.特に,母親と娘より母親と息子のほうが良い親子関係になる傾向があるように感じています.

        そんなことはないと思いますが,もしかしたらこの良い親子関係の中でも「いつまでも吃音にしておきたい努力」が続いているかもしれません.親も子供も気がつけないマインドコントロールです.だから幼児期の心の問題に関係する吃音は治しにくいのです.極端な例である「毒になる親」や「70歳・吃音卒業」を参考にすれば,「そういうことがあるかもしれないなー」くらいの感覚が得られるかもしれません.ただし,母親が「私のせいで」なんて考えると逆効果ですので注意が必要です.

      親がこのように考える家庭は,どちらかと言えば常識のある立派な家庭環境です.だから,吃音者は良い大学に入ったりして優秀な人になっている例も少なくはありません.

      それにしても子供が吃音を発症させたときにこのサイトの体験談を読んでいただければ,このような家庭では問題がなくなっている可能性大です.吃音者も半減以上していると思います.もう20数年も続けていますから20歳くらいの人ならそうなっていてもおかしくありません.
      吃音は世代連鎖の特性も持っています.せめて吃音の本質を理解して,次世代には伝えないでほしいなと思っております.吃音の本質を理解しておれば,ほんのちょっとしたことでこれが実現できます.


    15. 息子の吃音私が原因?,親が関係してないことが立証されている?


    16. ●立証されているなんて,これが都市伝説であることがすぐわかります
      これがこれまで吃音界?でタブー視してこられた点です.しかし科学にタブーは向きません.「吃音に親が関係してない」と親子ともども思いたい気持ちは痛いほどわかります.しかしこの気持ちそのものが吃音の本質を表しています.そしてこれが吃音を治さなくして吃音者を苦しめています.

      吃音のほとんどが幼児期に発症します.ここに一番関係しているのは親,特に母親です.だから「私が原因?」と親は悩みます.子供のために一生懸命な優しい親ですが,現実の子育ては地獄,思い当たる節がいっぱいあります.「思い当たる節」はほとんどは子育てでは当たり前のことなのですが.

      このように悩むまじめな優しい子供思いのお母さんだからこそ,魔の2歳児の荒波で平常心を保ち続けるのは非常にむつかしいこととなってしまいます.しかも吃音になるお子さんは,このまじめな優しいお母さんの性格を受け継ついた子供なのです.ここに親子ともども吃音を発症しやすい状況が出来上がってしまいます.

      そこで私は親失格だと落ち込みます.だから,「子供の吃音は母親のせいではない!」と誰かが言うとそれに飛びつきます.吃音の特性上子供にも「母親のせいではない」と思いたがる傾向があります.これまで「子供の吃音は母親のせいではない!」は立証されているという都市伝説もありました.巷ではいまだに吃音の原因も分からないとされてきているのに,「親が関係してないことが立証されている」なんて全くナンセンスです.そもそもこのことの実証なんて不可能なことです.しかもここにはすごい残酷な意味が含まれています.その裏には「子供の吃音を治すのに親は何もしてあげられない」が含まれているからです.
      立証されているかどうかは,親サイト
      「吃音ドットコム」の幼児吃音の経験談,完治談を数例読めばすぐわかります.「吃音ドットコム」には数百の経験談がありますから,根気のある人はすべて読んでみてください.真実がわかりますし,これが強烈なエビデンスに基づいていることに納得されるはずです.

      ●すべてのエネルギーを幼児の吃音完治に使うべきです
      見方を変えると,「自分のせい」と悩むことは「子供のことをほっておいて自分のことばかり考えている(言い過ぎ)」ことにもなり,結果的に子供を犠牲にして親が楽になる方向に舵を切っている(これも言い過ぎ)ことになってしまいます.そして結果的に親も長く苦しむのです.

      一番苦しむのは子供です.今は自分のことなぞさておいてすべてのエネルギーを子供の吃音完治に使うべきです.お母さんのせいかどうか,そんなことはどっちでもよいことです.お母さんが悩むと「子供をいつまでも吃音にしておきたい」努力になってしまいます.逆に「子供の吃音は私には何の関係もない.でもかわいいわが子の病気を治してあげたい」と舵を切れば最高の結果が得られます.親が子供の吃音を治せる可能性が大きいのですよ.

      子供が吃音になると「保育園などでからかわれないか,いじめられないか」と心配します.そしてそういうことがないように手配したりします.これで子供の苦しみが減りますので良いことはよいことなのですが,吃音そのものを治すための処置ではありません.そこにはポイントがないのです.

      ●一番しなければならないことは親の「子供像,親像」を書きかえることです
      吃音症状に一喜一憂するのではなく,親の子供に対する概念,子供像を変えることです.子供を命に代えてもよいくらいに愛している親にこんなことを言うのは酷なのですが,ちょっとした勘違いを変えるだけで済むのです.「子供は幼児でも一人の人間」,「しっかりしているように見えるけどまだ赤ちゃん」,それを踏まえたうえで,「お母さんが生き生き」し,それを子供にも広げ,親子ともどもイキイキして楽しい生活を送ること.これが吃音の原因から導かれる唯一の「吃音を治す原理」です.親子ともども楽しい充実した時間を過ごす.これにつきます.このとき親と言う人間の陥りやすい落とし穴,子供の心の成長過程を知っておくとよりベターです.

      右にいっぱいハンドルを切る,左にいっぱいハンドルを切る,では車の運転ができないのと同じように0,1やyes,no,「お母さんが原因」,「そうではない」のような二元論に正解はありません.

      このような都市伝説やタブーにまどわされることなく,科学的思考に徹した本サイトや親サイト「吃音ドットコム」をお読みください.たくさんの母親先輩の情報からいろんなヒントを得られるはずです.これらの情報から原因や疑問など可能な限り解決してあります.人類が解決できなかった吃音原因さえも特定してあります.吃音は治る病気,子供の吃音は治しやすい,ということも多くの実例から分かるはずです.


    17. 親に話しかけるつもりで録音したらいつもどうりに吃った.なぜ?


    18. 吃音は幼児期に親と密接な環境で発症します.その親が人間に一般化されて「人前で吃る」となるのが吃音です.だから一人で話すときでも「吃音を発症したような雰囲気を潜在的に感じる」と吃ります.これには親が大きく関係していますから,「親に話しかけるつもりで録音したらいつもどうりに吃った」というのは,非常に正常な吃音者の反応です.逆に親が周囲にいても,何かに集中しているなどして,「吃音を発症したような雰囲気を潜在的に感じない」場合には吃りません.吃音では潜在的な心の動きで吃るように,これらも潜在的なので本人には訳が分からないことになってしまいます.
      吃音は言葉の病気ではなく親や人間に関係する心の病気なのです.言葉の問題は症状にすぎません.ただし吃音は親のせいではありませんから.そんな単純なものではなく非常に複雑です.


    19. 母から「友達が治ったからあなたも努力して治しなさい」と言われました


    20. 吃音は一般的な努力(治らない努力)では治りません.「治る努力」をしなければならないのです.どういう努力が治る努力か?お母さんに調べてもらってください.調べたら「お母さんの考え方や感じ方を変えなければならない」に到達する可能性大です. 吃音は本人がなったのではなく周囲の人の影響でなっているのです.このお母さんの態度こそ吃音を発症させた原因の一つですし,吃音を治させない努力になってしまっているのです.

      もっと勉強しなさい.
      もっと勉強して有名大学に入りなさい.
      もっと頑張ってオリンピックに出なさい.
      もっと頑張ってピアノコンクールに入賞しなさい.
      もっと頑張って英語ペラペラになりなさい.
      などなど.

      ところで,お母さん昔勉強していた?,有名大学に入っている?オリンピックにでている?ピアノで入賞している?英語ペラペラ?

      あんたはメンタル弱いからいつまでも吃音治らないんだよっていつも母親に言われる」っていうのもこの類にはいります.
      「メンタル弱い」は親からの遺伝ですからどうしようもありません.はたして母親はメンタル強いのでしょうか?おそらく弱いと思います.ここから見えるのは親と子供の支配関係です.無意識のうちに母親の支配下に置かれています.これによって親のメンタルが満足させられます.親は子供のために言っているつもりです.こういう状況が生まれた時から続いていると思うと,吃音発症するのも無理がないなと思えます.

      こういうのは吃音だけではなく,人類としての,親と子の永遠の繰り返しかもしれません.

      昔このサイトを開いたとき,「吃音が治るって書かないで」とクレームがついたときがありました.「吃音は治るって書いてある,頑張って治せ」って,お父さんから怒られるからという理由でした.お父さんも吃音者でした.お父さんが自分で治せないものをどうして子供が治せるのでしょうかね.しかもこのお父さんの態度が子供の吃音の大きな原因なのです.お父さんの心情はわかるのですけど.

      親は子供のために一生懸命だけど,こういう関係が吃音発症に大きく関係している場合が多いのです.こういうのをマルトリートメント,優しい虐待とも言っています.


    21. 「吃音って治るんでしょ?うちのいとこ治ってたよ」.努力で治るの?


    22. 一般的には吃音って努力しても治らないのだよね.多くの人が思っている努力だけど.
      努力で治るって言われたら
      1. どういう努力すれば治る?
      2. その努力で治った人どれくらいいる?
      って聞いてみてください.おそらく答えられないと思います.この努力が何かわかれば吃音を治すなんて簡単なこと.それがわからないからみんな苦しんでいる.こういう親切心って,暗黙的に「いつまでも吃音にしておいてやろう」という圧力になっています.だから聞く必要があるのです.

      吃音って基本的に幼児期の心のトラウマによりなっている病気です.だからこのトラウマを取ることによってたくさんの人が治っています.「いとこが治った」のはこれが自然に行われていた可能性が大です.幼児期には自然に治ったように見える人が結構いますので,成長期によくあることだと思われがちです.が,ちゃんと原因があって吃音を発症しており,それが解消されて治っています.

      吃音は治る病気なのですが,大人になると治すのがなかなかむつかしいのが実情です.治す努力と思われているものには,主に吃音を言葉の病気とする都市伝説がいっぱいあります.多くは間違いです.だから努力しても治らないのです. 吃音を治す努力はトラウマを取る努力でなけれならないのです.幼児期にいたんだ心を治す努力です.それは自分の心を充実させイキイキして「幸せ」を感じる生活をすることです.人生楽しく生きることが吃音を治す努力なのです.他の人から褒められたり賞賛されたりすると最高なのですが.吃音を持ちながらこれをするのはなかなか大変なのですが,できないことではありません.

      死ぬまで吃音と仲良くしていくつもりで,病気を持ちながらもがんばっている自分のすばらしさをほめてあげてください.自分の良いところを見つけてそれを生かしてください.そうすれば,いつの間にか吃音が去っているはずです.

      決して,「治さなければならない」,「努力しているのに治らない」,「吃った.私はダメ人間だ」,「一生治らない.お先真っ暗だ」,...のように,自分をいじめないでください.こういうのは「いつまでも吃音でいたい努力」になってしまいます.

      多くの人は治すつもりでいつまでも「吃音でいたい努力」をしてしまいます.本サイトや親サイトの吃音先輩達が残してくれたたくさんの情報を参考にして吃音の本質を理解して治す方向に進んでください.


    23. 身内や親しい人の方が吃りやすい気がする.なぜ?


    24. 吃音は主に2歳の時に発症するか,この時原因を抱えてあとで発症します.この時の環境が吃音を発症させた主要因です(本文を参考にしてください).それに関係するのは親や家庭です.吃るのは潜在心がこの時の嫌な雰囲気を感じた時なので,だから身内の方が吃りやすい場合が多いのです.

      人は他人に話すときのほうが緊張しますので,吃音者が身内の方が吃りやすいというのは信じがたいことですが,吃音の本質を知ると当然のことであることがわかります.
      吃音が完全に治って普通の人になっていた人が,数十年たって「身内の集まりで吃りはしなかったけど言葉が出にくかった」という報告さえあります.


    25. 親は「わが子を吃音にしておきたい努力」をしがち? 


    26. > 親に喋り方治せって怒られてメンタルやられた

      これも繰り返されてきたことです.
      吃音は持って生まれた性格の上に2歳ぐらいの時のストレスで発症します.この時「ストレスが原因だ」と気がついて育児環境を改善すると吃音はほとんど治ります.

      気がつかないと,幼児期からストレスがかかりつづいていることになります.このような状況は親子ともども常態となってしまっているので気がつくのは大変難しいことです.よくありがちな家庭の状況です.ここにキッシーケア「発症環境離脱法OEWM」が生まれる基盤があります.

      あっちこっちから叱られそうな配慮のない単純な言い方をすると,子供の吃音を発症させた状況が続く,「子供を吃音にしておく努力」が延々と続けられていることになります.吃音は吃音者の責任ではなく吃音者は被害者なのです.ストレスを与えた人が加害者かというと,そんな単純なものではありません.

      だから
      > 家族みんな普通に喋れるから私の気持ち理解してくれなくてなきそう
      > 家族が1番の理解者になってほしいでずよね

      は,吃音の発症原理から見て(「マルトリートメントは愛情がいっぱい」を見てください)吃音者の一番の願いですが,かなり無理な期待なのです.乳幼児のとき,十分理解してもらえなかったことが大きな原因で吃音を発症しているのですから.

      解決方法はまず親に「吃音の本質」を知ってもらうことです.親にこのサイトをみて吃音の本質を理解してもらってください.そうすれば,これからは「わが子を吃音にしておきたい努力」が止むか少なくなるはずです.この不幸な事実を,納得したくないが納得せざるを得ない体験談がいっぱいありますから.ただし,親が「私のせい?」とか「「親のせいでなった」などと思うのは避けてください.逆効果ですから.そんな単純ではなく,実際複雑な事項がからんでいますから(本文を参照してください).

      吃音は年齢にかかわらず治る病気です.吃音の本質を知って先輩たちの体験談を参考にして,吃音を持ちながらもイキイキ,ワクワク生きられる方法を探って,治る方向に舵を切ってください.


    27. 吃ると家族にバレるから嫌?


    28. 殆どの吃音は幼児の時に発症します.親は吃音発症前や発症したときも知っているんだから,吃音者より吃音者の吃音には詳しいはずです.親の方がよく知っている吃音を,子供は一生懸命隠そうとしている.まるで喜劇のようです.なぜ?

      親がよく知っている吃音を,「本人が隠したい」と言うのは,
      1.自分は親の期待に沿ってが自慢するような人間として成長している
      2.いろんなことも立派にやっている
      3.自分は吃音に苦しんでいるダメ人間ではない
      4.自分はしっかりした人間だ
      と言う思いがあり,

      1.吃音で苦しんでいる
      2.恥ずかしい思いをしている
      3.親の期待に添った人間になっていない

      ということを知られたくないという心理が働いているのではないでしょうか?

      このような心が育つ姿は,吃音発症時のようすを観察すると納得がいきます.親は「子供が立派になるように一生懸命に育て,一方子供は,親の期待に沿った立派な人間になりたいと思い努力しています.でもそうは完全にはなれずに誉めてもらえなかった」,だから立派な子供であり,親に見てめてもらいたという潜在意識をもって成長しています.「いじめられっ子」がそれを親などに言えないのもこのパターンかもしれません.

      しかし,多かれ少なかれ多くの人はこの傾向にあるので人類の普遍的な出来事かもしれませんが,ただ,吃音者は同時に恥ずかしがり屋でまじめですから,この傾向がより強いものになっている可能性があります.親に知られたくないのは吃音のことではなく,自分のふがいなさかもしれません.

      でもよく考えてください. 喜び,苦しみ,悲しみ,泣き,笑い,嫌な思いをし,劣等感も持ち...それが正常な人生です.今の状態が正常で普通なのです.そんなに無理する必要はないのですが.でもありのままをさらけ出すには相当な自信が必要なのですよね.


    29. 娘いるのに本当に申し訳ない.どうしたら吃音に負けずに強く生きていけますか


    30. > 非吃音のママさん達と比べても仕方ないけど、ほとんどの方が名前と
      > 簡単に子供について話していたのに、わたしは名前を言うので精一杯。

      「名前を言うので精一杯」でも,がんばって,すでに吃音に負けずにちゃんと用を達しています.それも吃音と言う病気を持ちながら.そういう自分を誇り,何とか切り抜け現実生活を送っている自分をほめてやってください.

      > 今後も懇談会などで順番に話す場面はあるかと思いますがまた吃ってちゃんと話せないのではないかと不安が消えません。

      このように精神的な病気では「いつまでもその病気でいたい」と見える行動をすることが知られています.吃音では「いつまでも吃音でいたい努力」です.努力しているからその結果吃ります.悪循環です.
      こんなことは,賢明な吃音者のこと,遭遇したとき今回のように何とかすると思います.「先のことは先のこと,何とかなら―」です.

      > どうしたら吃音に負けずに強く生きていけますか

      吃音を知っている人間からは,「苦しみながらも怖がりながらも一生懸命工夫しながら子供とともに生きているお母さん」に見えます.たくましいお母さんです.
      一方,家庭をもって子供に恵まれている,この最高の状態にも気づいてください.そういことがわかって自分をほめてください.そうすれば吃音も治っていきます.自分を責め自分をいじめると,いつまでも吃音でいたい努力を一生懸命やっていることになってしまいます.

      吃音者は吃音で苦しんでいると思ってしまいますが,その奥には,潜在的な怖がりや不安がりがります.こちらが苦しみをもたし,それが吃音をもたらしているので,本命はこちらです.

      娘いるのに本当に申し訳ないしいつまで弱気なママでいるの?と自分に渇をいれたくなります

      お気持ちはよくわかるのですが,「弱気なママ」はそれはそれでよいと思います.そんなに理想的なママにならなくても.幼児期良い子でいようとしたことがそのまま続いているようです.「人は人自分は自分」で,今を一生懸命生きることが大切です.今のままでいいのです.
      申しわけないと思う必要はないし,「申し訳ない」なんて思っているお母さんを娘さんは見たくないと思います.子供のことは横に置いて,お母さん自身がイキイキしてください.普段生き生きしていますか?言葉が出にくくてもイキイキはできますよ.イキイキしているお母さん,子供の成長には一番必要なものです.
      もう十分強いのです.「これからはイキイキ,楽しく生きる」と活を入れてください.

      ともかく
      1.自分をいじめない
      2.自分をほめる
      3.自分の得意なことを生かす
      4.世の中,なるようにしかならない
      5.これから楽しい時間を子供とすごす
      6.前向きに生き生き生きる
      でもっと強くなれますよ.

      こんな吃音治療とは思えない方法で吃音が治っていくのです.当然自己肯定感の強い子供も育っていきます.


    31. 親に吃音のことを秘密にしていますか?


    32. 約3人に一人が秘密にしているということになります.吃音のほとんどは幼少期に発症するので,本人よりは親の方がよく知っているはずなのに不思議な現象です.親に言っている人も結構いるのですね.

    33. 親に吃音の苦しさを訴えていますか?


    34. 親に吃音のことを言っている人の方が多かったのですが,苦しみを訴えている人は少ないようです. 親が期待するような良い子になろうとしたことが吃音発症の大きな理由の一つです.「自分は親の期待に沿ってが自慢するような人間として成長している」.だから自分が吃音で苦しんでいるような「ダメ人間(悪い子)であること知られたくない」という心理が働いているのかもしれません.「いじめられっ子」によくあるパターンです.
      まあ,吃音者は同時に恥ずかしがり屋ですからそのせいもあるのかもしれません.親に秘密にしているのもこの心情からくるのでしょうか.




  5. 吃音の不思議,疑問
  6. 吃音を言葉の病気ととらえるのが一般的ですので,いろんな不思議な現象や疑問が出てきます.しかし,心の病気と理解すれば当たり前のことばかりで不思議なんてありません.



    1. ひっさびさに電話で難発出た??ちょっと面識のある人だと出やすくなるんだよなー??なんでだろ?


    2. 自分に関係のある人になればなるほど吃音は出やすくなるのが一般的です.吃音の本質的性質です.


    3. お名前なんですか?って言われて、「えっと、えっと、…〇〇です」って言ったらたぶん笑われた?大丈夫か?みたいな顔された??その他はスムーズに言えてたのにー。チクショー笑.難発出た時、相手の顔怖くて見れない


    4. 「吃っただけでなんで怖いのだろう」と考えてみて.吃音を治すヒントが見えるかも.また,「名前ですかー?」と一息入れることや,言いやすい適当な名前を言っても良い場合は,それでOKなのですが.こういう知恵を持っていると本名を言える確率が増えるはずです.


    5. お名前お聞きしてもろよろしいですか?って言葉言われると、難発でるー


    6. 正常な吃音者の反応です.人に対する意識や感じ方が強くなるから.簡単には「言わねばならない」と思う,ということは相手を意識しているから.つらいけど,「病状が出ている」くらいにして置ければダメージを少なくでき,吃音完治に一歩近づくことができます.


    7. 吃音で出来なかったらその時だ、と開き直れば怖いものが少し減った感じ


    8. 1)吃音だから色々なことをやってみることに躊躇して逃げてきたけど
      2)吃音で出来なかったらその時だ、と開き直れば怖いものが少し減った感じ。

      吃音者は潜在的に怖がりで恥ずかしがりやですから,1)が出てしまいます.でも2)のことが平気に近い感覚でできるようになったら,吃音は治ったも同じですし,治っていきます.でもこういう心境になれるにはそれなりの人生経験が必要なのですね.1)をやりすぎるとますます怖さが増してきます.といって,無理して逃げないでおくと逆効果です.だから,できそうだったらやって,できそうでなかったら逃げる.その後,「逃げるのがうまいな」,「勇気出してやったな」と自分をほめてください.

      3)やりたいと言って出来なかったら恥
      4)言えないのは恥
      5)吃るのは恥

      みんなもっともなことなんだけど,3)はできることもあればできないこともあるが正常なのに,これが強調されているというのは成育環境の影響が大きいし,4),5)は病気だからしょうがないことなので,恥ではないのですよね.

      6)別に話しにくいなら、言い方変えればいいことだし、
      7)言えなかったらそれでもいいかと考えるようになってから気が楽になった

      6),7)でいいのですよね.これに心躍るようなことが増えると吃音は治っていきます.70歳近くで吃音が治った山桜さんの体験記などでは,2),4),7)が自然になくなってます.


    9. お願いして当てられなくなったのはよかったけど,それはそれで苦しい


    10. 吃音者はもともと怖がりです.その上言葉が出なくなるということがあるので,当てられることが10倍以上の恐怖になっています.だから当てられる心配がなくなるとこの恐怖から逃れ天国にいるような気になれるはずです.

      ところはそうは簡単にはいきません.人は誰でもそうですが,
      1)みんなと同じように普通でいたいし,
      2)皆と同じように一人前でいたいし,
      3)時には注目をあびたり
      4)ほめられたい,
      という気持ちを持っています.生き生きワクワク充実感を持ちたいのです.吃音者は特にそれを潜在的に持っています.というのは,幼児期これらのことをしてもらえなかったから吃音を発症している可能性が高いですから.

      だから当てられなくなって一安心だけど,一人前に扱われないので苦しいのです.吃る不安が肝心なことをマスクしてしまって本質を見えなくしていたのです.本人も分からない心の奥を他人に知ってもらうのは困難を極めますね.そしてもしこのお願いのことがみんなに知れ渡ると,皆の目が気になっていてもたってもいられなくなるかもしれません.しかし一歩踏み出したことは大成功です. 一番の解決方法は,言葉を必ずしも必要としないようなイベントに積極的に取り立ててもらって,上記1),2),3),4)の気持ちを満足させてもらうようにお願いすることです.そしてこれをきっかけに心にプラスの栄養を与えられるようになれば,自然と言葉が出るようになり吃音は治っていきます.


    11. 英語で言いたいことを表現できるようになったら吃り始めた?


    12. 吃音者は言葉を吃りますが,原則,本質的には言葉そのものでは吃りません.言葉が自分を表現する道具になった時点で人前で吃り始めます.すなわち,言葉が自分になった時,すなわち,言葉で自分を表現できるようになったとき吃り始めるのです.

      吃音の本質は,幼児期に「自分の意志や思いや感情を人まえで表現すると嫌なことが起こり怖い」ということが心にトラウマとして宿ってなります.だから,言葉を話しても,それが自分の意志や思いや感情をある程度自由に表現できるようになるまでは吃りません.当然自分の周囲に人がいないと吃りません.嫌なことが起こらないのがわかっているからです.こういうトラウマが自分が意識できないところに宿ってしまっているのが吃音者です.

      だから英語を習い始めた時,それが自分の意志や思いや感情をかなり自由に表現できるようになるまで上達する前は原則吃りません.ある程度自由に表現できるようになったところで吃り始めます.言葉が自分のものになった時吃り始めるのです.吃音の原理そのものです.

      この原理からくる現象はこれまでの結構言われてきました.
      • 仕事では吃らない
      • 特定の人には吃らない
      • 歌や詩吟などでは吃らない
      • 初めての人には吃らないが親しくなってくると吃り始める
      • .......
      まあ,心の問題ですし原則ですから,いろいろ例外はありますが


    13. ちょっと面識のある人だと電話で難発出やすくなる.   なんで?


    14. 吃音は幼児期にできた潜在こころが,人を怖いと思うと出ます.人前で吃ります.
      潜在心の認識では,面識のない人はまだ人とは判断してないのですが,面識がある人は人と判断しているのです.
      吃音の本質から言えばごく当たり前の反応です.

      一般的には,面識のあるなしにかかわらず,電話では周囲に人がいる環境と判断するので,ほとんどの人は電話で吃ります.


    15. 歌はどうして吃らないの?


    16. 吃音を言葉の病気だと考えるとこれを不思議に感じます.言葉は吃るのにどうして歌は吃らないのか?と.昔から繰り返し繰り返し不思議に思ってきたことです.でも,吃音が幼児期についた心の病気であることがわかると,これは不思議でもなんでもなく当たり前の現象,吃音として正常の現象であることがわかります.

      単純化すると,吃音は幼児期に宿った吃音トラウマが,「周囲の人」に不快や恐怖を感じて,「ここで言葉を出すと不快なことが起こる」と,言葉を出さなくする心の病気です.発声機能は全く正常です.すなわち,吃音は

      「A.人のいる環境」+「B.人に伝える言葉」+「C.幼児期体験からその言葉で不快や恐怖が起こる予感(無意識)」

      がそろった時起こります.

      このA.,B.,C.三っつが揃っていないと吃りません.C.の「不快や恐怖が起こる予感」が重要です.しかもこの不快感は原則意識に上りません.
      この三つは心象の問題なので,物理的に人がいなくてもそれを感じる心象があれA.が成立します.人がいてもB.を忘れていれば条件がそろいません.また,人がいてもその人によってC.が成立するかどうかは微妙です.と言う風に,心の問題が微妙なうえに,幼児期ついた心の問題からくるので,余計微妙です.

      上記のことから,歌やお経は人に伝える言葉ではないし,不快なことが起こる予測が湧きませんから原則吃りません.独り言も,周囲に人がいませんし人に伝える言葉でないから原則吃りません.
      もしかしたら,幼児期に歌やお経を詠んで不快なことが起こっていれば歌でも吃るかもしれませんが,これまでまだ歌で吃る人を見たことがありません.たぶん言葉を話し始めたばかりで歌を歌うことは殆どありませんし,歌って嫌な思いをすることも少ないからではないでしょうか.


    17. 「たまご」は吃るのに,「た」や「まご」だけではどうして吃らないの?


    18. 「たまご」という言葉そのもの問題ではなく,そこからくる心象的意味(吃音トラウマがどう感じるか)が問題です.「たまご」は,言うと何か嫌なことが起こる可能性のある単語.「た」や卵の「まご」はその可能性のない単語と判断しているということです.
      母音すごく苦手なのに「あのー,えっと,あ、〇〇,おぉー」とかは吃音でない,というのも同じ原理です.簡単に言えば,これは嫌なことが起こらない言葉だと吃音トラウマをだましているということです(注意転換法と言われてきました).吃音を言葉の病気だと誤解するとこういう疑問が出てきます.吃音の真実を知っていると不思議でも何でもありません.当然のことです.

      言葉以外でも吃音トラウマをだます方法は,「あのー,えーとをつける」,「腹式呼吸」,「指トントン」,...など,「吃音ドットコム」サイトの「吃音緊急対応方法」にまとめてあります.どんどん利用して現実生活を楽にすべきです.


    19. 「楽に話す方法」で言語聴覚士の前で話せるのに,他人の前では話せないのはなぜ?


    20. これまでも繰り返し繰り返し多くの人が「吃音克服教室」などで同じ経験をしてきています.「吃音教室では治った.でもしばらくすると元に戻っている」.このケースが一般的です.

      「楽に話す方法」は,言葉の出し方を意識するのである種の「注意転換法」です.一方吃音は,「相手が怖い人間ではない」と潜在意識層ならぬ潜在心層(せんざいこころそう)が判断すれば言葉は出るようになります.言語聴覚士は最初は怖い人に入っていますが,吃音を理解しなおしてくれる存在です.ですから怖い人間ではないことが,潜在心に徐々にしみこんでいきます.そうなれば言語聴覚士の前では言葉が出るようになります.

      吃っていた人が「楽に話す方法」などで話せるようになれば,吃音を知らない人は吃音は治ったと判断します.が,肝心の潜在心が治ってませんから,言葉が出るようになっても吃音者のままです.だから上記のような他の人の前やしばらくすると話せなくなることがおこります.吃音を言葉の病気だととらえるとこのような変なことが起こってしまいますが,吃音の本質を知っていれば当然のことです.

      この現象を利用してうまく潜在心を治す方向につなげればよいのですが.


    21. 好きなこと,バックパッカーしてなぜ吃音治るの?


    22. 吃音は簡単に言えば,幼児期好きなことができなかったので発症しています.だから吃音を治すのに好きなことをするのは非常に合理的なことです.幼児期の心の栄養失調で発症しているので,心に栄養を与えることによって治ります.数えきれないほどの幼児の吃音完治例,成人の完治例,すべて,基本は心へ栄養を与えることによって治っています.
      吃音は言葉の障害として出ますので,言葉を出すための努力をしてを吃音を治すためと思ってしまうので治らないのです.
      しかし,言葉で苦労しているのに言葉と関係ないことをしろって言われても信じがたいですよね.これが吃音を治す本質的方法の弱いところ.でもこれしかないから.

      バックパーカーで外国旅行って,最初は大変だけど楽しいよ.特に一人だと.まず,寝床確保に必死になる.全く新しい世界が開ける.日本の良さに気が付く.言葉がわからないから吃音とは無縁の世界.英語喋れるようになってからバックパーカーで外国旅行って.それは無理.英語が通じる国はそんなに多くない.言葉なんて関係なくいくと必死になるから.いつのまにか「生き延び英フレーズ」がみにつくよ.


    23. 吃音が治ったら天国が来る?


    24. 吃音者は吃音が苦しいから治ったら天国が来ると思います.でも今感じている苦しみは

      @言葉の出ない苦しみ+A吃音になりやすい性格からくる苦しみ+B一般人の苦しみ

      からなるので,吃音が治った時なくなるのは@だけです.AやBはそのままです. でもAのような性格からくる悩みは皆が持っている種類のものですから,結局は普通の人になれるということです.普通の人の苦しみは治っても当然あります.苦しみというのはある意味生きている証拠のようなものです.


    25. 話すとき心臓バクバク,なぜ?


    26. これが吃音になりやすい性格です.防衛本能が優れていてすぐスイッチが入って臨戦態勢に入ってしまうのです. もしかしたら幼児期についたものも若干あるかもしれませんが,圧倒的に生来のものである気がします.この心臓パクパクに幼児期の適切でない養育環境からくるストレスが加わって,吃音を発症してます.だから「話すから心臓パクパク」ではなく「心臓パクパクで話す」のです.


    27.  吃音を忘れれば治るの?


    28. 「吃音を忘れれば治る」は説得力があるようですが,実は,「吃音が治ったから吃音を忘れている」のです.吃音を持ちながら吃音を忘れることなぞ無理でしょう.
      「吃らなかったら吃音が治る」と「吃らないら吃音が治っている」はよく似ていますが全く逆のことを言っています.「吃音が治れば吃りません」が,「吃らなかったら吃音が治る」は別物です.前者の「吃らなかったら」がそもそもそんなことは無理なのです.多くの吃音者は前者を信じて涙ぐましい努力をしています.当然治ることはありません.だから「吃音は治らない,吃音を持ったまま生きていくしかない」と,吃音受容派が出てくるのです.

      単純化して言うと,吃音と言う病気は,「2歳前後の時に自分のやりたいことをやると周りの人に叱られつらい思いをした」ことによる心の傷で発症します.生まれ持った性格も関係していますが.
      2,3歳ころまでに身に着けたものは一生もの.ものすごく大きな影響をその人の人生に与えます.母語なんてその典型です.2歳くらいに憶えた日本語を一生使い続けていますから.「完治体験談」→「70歳,吃音卒業」を読んでみてください.それがよくわかります.

      「人々の中で自分のやりたいことをやって」楽しい充実した思いを多くしていると,自然に,「言葉が出にくいこと」と「その時の恐怖」から目がそれています.楽しい充実した経験は幼い時ついた心の傷をいやしてくれます.自分の奥深く湧き上がる心に率直に従ってイキイキ生きることなのです.当然それによって吃音が治っていきます.吃音を持ちながら,吃音発症時からくる「自分のやりたいことをやることになんとなく後ろめたさを感じながら」この方向に舵を切るにはかなりの勇気が必要ですが.
      これがキッシ―ケア良生活環境法GLEMです.

      もう一つの治し方,それは「いろんなことをやっても周りの人は幼児期のように叱らないので,幼児の時に感じたようなつらい思いをしない」ことを体で感じることです.この方法として,積極的に社会に出ていく,営業マンになる,コールセンターに勤める,接客をやる,...などがあります.これは凄い勇気と強い心が必要なので,かなりハードルが高い方法です.これで心が大きく傷つくと別の病気を併発するかもしれないというリスクもあります.

      でもこういうチャンスは,長い人生では向こうからやってくることもあります.それをうまく利用するのもよい方法かもしれません.これが結構過酷なキッシ―ケア体験認知法ERMです.


    29. 治したいと思うから「治らなくてもいいや?」って思える人になりたい


    30. 治すためには,「絶対治す!!」と強く決心して,そしてそれを心の深いところにしまい込んで,「治らなくてもいいや?」って思って,「治る治すための努力」をしながら生活していくことです.矛盾しているようですが心の問題の解決には微妙な矛盾したようなコントロールが必要です.

      わかりやすく表現すると,キッシーちゃん(吃音トラウマ)を直接取りのぞこうとするのではなく,「私はもういなくてもいいのだ」と納得してもらって消えてもらうことです.直接取りのぞこうとするとキッシーちゃんも抵抗しますから.悪い言葉で言えばキッシーちゃんをだましだまし進めるということです.
      「えーと」,「あのー」などをつけて言葉を出す方法も,「危険な言葉を言うのではないよ」とこのキッシーちゃんをだます方法です.でもキッシーちゃんは賢いのでいつまでも騙しつづけるのは困難ですので,この方法はすぐダメになります.ダメになったら新しいだまし方法を使って,現実生活の質を上げる方法として,どんどん使うべきです.

      正しい「治る治すための努力」は積極的にいろんなことに挑戦してイキイキと有意義に生き,心に栄養を与えるていくことです.これが治すための努力とは感じられないのは問題点ですが,吃音者じゃなくても当然やった方が良いことですからどこにも問題は生じません.でもイキイキ生きるって大変難しいことなのですが.

      これまで「吃らないでおこう」,「何とか言葉を出そう」,「言葉がでるように訓練する」ことが「治す努力」と考えられてきました.しかしこれは「いつまでも吃音者でいたい」という努力となってしまいますので,どんなに頑張っても治ることはありませんでした.「こんなに頑張ったのに治らない,無駄時間を使っている,受容するしかない」と,ここに吃音受容派がでてくる原因があります.本心で「治したくない人間」なんているはずはありませんから.
      まあ,吃音受容派になって間違った治し方をあきらめて,イキイキと有意義に生きていけば,受容派,非受容派の違いはなくなるのですが.




  7. いつまでも吃音でいたい努力
  8. 吃音は幼児期の心の病気なので,ごく普通にごく常識的に判断していると,他の心の病気と同様に「いつまでも吃音でいたい努力」をする傾向にあります.ここではそれを中心に取り上げます.




    1. 名刺交換のとき自分の名前を言えない.基本マナーができない自分が情けない.


    2. 気持ちはわかるのだけど,こういう風に自分をいじめて「いつまでも吃音でいたい努力」をするのだねー.名刺交換をするので基本名前なんて言わなくて良いのに.十分目的を達している.

      ということがわかれば,「ムニャムニャ,よろしくお願いいたします」でも「初めまして,こういうものです」,「こんにちは」でもOK.「ムニャムニャ」は無音でもOK.目的を達しているので,「吃音と言う病気にかかっているのにうまくやっている」と自分をほめるべきなのに.

      吃音を治すためには.
      1)会社に少々迷惑をかけるのはやむを得ない.他のところで補おう. 2)できれば,会社を吃音を治す学校とみてこんな便利なことろはないと思えるとベスト.
      こういう見方をすれば会社と言う大きな重いおもりがかぶさっている現在の心的立場から脱出して,会社の一員,もしくは会社を引っ張っていける存在になれるのに.同時に当然吃音も治っていきます.


    3. 吃音って職場の人に伝えた方がいいのかな。甘えすぎ?(電話対応とか朝礼とか不安…)


    4. これは甘えている甘えていないということとは別の話です.
      まず, 1)吃音を職場の人に伝えて「何を期待しているのか?」を自分に問うてください. 2)そして伝えた場合「その期待がかなえられるかどうか」を検討してみてください. 3)その結果期待がかなえられる方が大きければ伝えればよいと思います.

      ただ,心の奥に「不思議疑問」→ 11番のような心情を抱えていますので,それも考慮したほうがよいようです.もし伝えるとすれば,きちんと吃音と言う病気のことを知ってもらわなくてはなりません.そのためには自分が病気を把握してないと説明できません.

      本当は電話対応とか朝礼とかで吃音が出るのではないかと不安なのですね.その中には新しい世界へ飛び込む不安もふくまれているようです.「電話対応とか朝礼とか不安…」は,やむを得ないのですが「吃りたい努力」ですので,職場で吃る確率が増えます.いずれ職場のみんなが知ることになります.結果的に意図せずに「吃ってやろう」とする努力をしていることになります.

      朝礼があるのか電話対応があるのか,はたまた人にいろんなことを説明することがあるのか,そんなことはやってみないとわかりません.わからないことを心配するより,その時はその時,それより今を楽しもうとした方が良い気がします.まあ,こんなことをできる人は吃音にはならないし,これができれば吃音が治っていきます.つらいところです.

      言葉の必要としない世の中はありませんので,会社でもおそらく今とほとんど変わらない状況(吃音で苦しみながらも生きている状況)が続いていくはずです.心配しても同じです.このように「吃りたい努力」をつづけていると一生このままです.吃音の正体を知って「治る努力」に踏み出してください.吃音は治る病気であることには間違いありませんから.


    5. 改善したら面接、会話、注文、自分の名前、電話とか怖くないんだろうな。そんな自分に一度なってみたい


    6. 本当にその通りで,一度でもいいからなってみたいですね.
      お気持ちは痛いほどわかるのですが,でも

      面接、会話、注文、自分の名前、電話とか怖い → そんな自分に一度なってみたい → 吃音強化

      と「いつまでも吃音でいたい努力」になってしまっています.だから「一度なってみたい 」どころではなく「一度もなれず」に苦しみます.「なりたい努力」が「なりたくない努力」になってしまっています.

      吃音は潜在的な怖さが原因で発症しています.何とかし工夫して怖いところに徐々に飛び込んで,怖くないことを悟らなくては(認知行動療法).苦しんで苦しんでどうしょうもなくなっていっぺんに恐怖のなかに飛び込んだ人もいます.営業職とか会社経営とか.本サイトで言う「体験認知法」です.治ってますよ.経験談は「吃音ドットコム→吃音卒業人生→吃音営業職」などにあります.

      「飛び込まなくてはならないのに飛び込めない」と自分を責めると逆効果になりますので,一応原理を知ったうえで,「時間の経過とともに環境も変わってくる.そのうちチャンスがくるさ」くらいに思っておいた方が良いと思います.なってみたいことなど忘れて,気がついたらなっていたが理想的な吃音の治り方なのですが.


    7. よく他人に気を遣いすぎて疲れることがある。2人っきりになると気まずくなって自分から話しかけて、色々聞こうとする。


    8. どんな人でもある心情ですが気になりますね.でもうまく考えればこれはチャンスになりますから,どんどん話しかけていろいろ聞いてください.すばらしい「治す努力」になりますね.

      こういういい性格を持った人が吃音を発症してしまうのですね.「話しかけなくて雰囲気が悪くなっても知らん.そちらから話しかけろよ」くらいにもう少し自分を中心に考えられれば良いのですが.少なくとも時々このレベルに「他人への気遣い心」を抑えられれば,より効果的な「治す努力」になるはずです.

      持って生まれた性格も関係していますが,吃音発症時の環境で「自分を中心にしてもらえなかった,大人目線から見たワガママ(子供目線では本当にやりたいこと)を育ててもらえなかった」ことからくる「自己肯定感の少なさ」もまた関係していると思います.


    9. 仕事は楽しいけど、やっぱり毎日吃音を意識してしまっていつも不安です


    10. この心情は痛いほどわかるのですが,これは「いつまでも吃音でいた努力」,「吃音を強化したい努力」になってしまっています.

      吃音者はどちらかと言えば心配性,不安症気味です.これが実は吃音を発症させている大きな原因の一つです.特に人前に出ることに関する不安,心配,恐怖が気がつけない心の底にあります.吃音を支えている?ものにこれがあるのです.

      大人になると吃るかもしれないと不安になります.当然です.ですが,この心の底には不安症気味性格があることに気がつく必要があります.吃音がこれをマスクして見えなくしているのです.

      「吃らないでおきたい」と思っても吃ることを避けることはできませんので,この行為はいつまでも吃音でいた努力」,「吃音を強化したい努力」になってしまうのです.言い換えれば,「いつか吃るのではないかと不安をいつも感じていたい努力」になってしまっているのです.その結果,当然ですが,吃音が治らないことに長く苦しむことになります.

      「吃ることは意志では避けることができない.しょうがないので吃る時は堂々と吃る」と決心してしまった方が良いのです.これが「吃音を治そうとする努力」になります.なかなかむつかしいことなので出来るかどうかは別として,こういう事実を知っておいた方が良いことは確かです.

      心配性,不安症気味なのもその人そのものですから基本的に変えようがありませんが,こういう事実を知っておくと少しは変わると思います.「仕事が楽しい」だけに集中できれば治りは早いのですが.


    11. 吃音の私でも幸せになれるかしら?


    12. 何の問題もなくなれますよ. 誰でもときどき感じる不安感だけど,吃音だから余計そう思うのだと思います.

      吃音は単なる病気だし,ポイントさえ間違えなければ治っていく病気です.だた,その特性から吃音から脱出したいと思いながら「吃音でいたい努力」をしがちになります.「吃音で幸せになれないかも」というのもそのうちの一つです.吃音とは関係なくなれるのに.

      以下に上げた例でもたくさんの「吃音でいたい努力」が垣間見られます. 吃音を卒業するための努力とは,楽しい時間を増やすこと,好きなことをすること,自分をほめること,充実感を感じること.....です.吃音を治す方法とは考えられないでしょうけどこれしかありません.これって幸せになる方法でしょ.

      吃音と幸せになることは関係ないので,こんな場合には「吃音を持っていても幸せになれるに決まっているじゃないの」と思えばよいのです.心にマイナスの栄養を与えるのではなくプラスの栄養を与えることです.

      「私の将来は明るい」,「未来には必ず良いことがある」,「私には人にはない運がある」....などと,希望に満ち,前向きに楽観的に考えることも必要です.


    13. なんで吃ったのかを自己分析して後につなげる?


    14. > 吃っちゃった事実は消せないので、その後にあの時なんで吃ったのかを自己分析して、
      > その後につなげることが大事よね。

      一般的にはこうなので素晴らしい考え方なのですが,吃音と言う病気ではちょっと問題です.この方は,たぶん立派な家庭で育ったまじめな優秀な方ですね.そしてこの素晴らしい考え方を得た幼児期の環境が,吃音発症の原因かもしれないのです.

      吃音は潜在的な心からきているので,自己分析してもしきれないし,まじめに反省するようなものではないものです.それに吃ることは悪いことと言う価値観が感じられます.風邪を引けば咳をする.咳をしてもなぜ咳をしたのか自己分析し後に続けるようなことはしません.吃音と言う病気にかかっているから吃るのは普通なのです.つらいけど.さっさと忘れて気にしないことが一番です.吃音を心の病気ということを理解してないとこうなります.「悪いところを分析して直す」という,こんな素晴らしい考え方が,「いつまでも吃音でいたい努力」になってしまうのです.

      タイガーウッズのコーチの指導方針,「良いことだけを記録するノートをつくり,悪いことはすぐ忘れる」は,心に負の栄養を与えずプラスの栄養を与え続ける方法です.失敗を反省して技術的な改良をするよりは,心にプラスの栄養を与えてやる気をもち,楽しく前向きにゴルフをした方がうまくなると考えているのでしょう.ゴルフは技術も必要ですがメンタルが特別重要な競技のようです.吃音と言う病気の性質上イキイキワクワク生きていくのが吃音を治すためには必要です.


    15. 倒れたら住所言えないから命落とすかも


    16. こんな心配なんか全然いらない.緊急事態には吃音なんかすっ飛んじゃうから.終わってから「あれ吃ってなかった」って気が付くのがこれまでの例です.このように心に関係する病気は,「倒れたら住所言えないから命落とすかも」のような心配や不安感を増し,「自分を痛めつける」ような,いつまでもその病気でいたいとしか見えない行動をとる傾向があります.「いつまでも吃音でいたい努力」です.「先のことは先のこと,何とかならーな」くらいが一番良いのだけど.実際そうなるんだから.


    17. 結婚式の誓いの言葉などで吃りまくり,悔しくて悲しくて泣いてしまいました。まずい!!


    18. 結婚式では誓いの言葉を言わなければならないし挨拶もしなければならない.怖かったと思います.
      でもその恐怖心を乗り越えて何とかやり遂げたのはすごいと思います.悔しい気持ちや悲しい気持ちは痛いほどわかるのですが,ここでは自分をほめなければ!!.「恐怖心を乗り越えてやり遂げた」のですよ. せっかくやり遂げたのに,それでは「いつまでも吃音でいたい努力」になってしまいます.

      せめて結婚式だけはと思う気持ちはよくわかります.でも,吃るのは病気だからしょうがないのです.治るまでは.すべてのチャンスをとらえて「治る治す努力」をしてください.この場合は「吃音病なのに勇気を出してよくやった」,「何とか無事済ませた」.「妻も喜んでくれているに違いない」.「これからは二人で幸せな明るい家庭を築ける」.「これだけ勇気を出してやったのだからこれからもできる」.これが「治る吃音を治す努力」の考え方なのです.流した涙は「感涙」だと思ってください.

      吃音者は,「悪い面をみてそれを治していこう」と言う家庭環境で育ちがちです.でもそれはその成長段階ではできないことだったので,心にトラウマを抱え吃音を発症しています.だから吃音から卒業するには「良い面を見てそれを賞賛する」ことが大切なのです.タイガーウッズを育てた監督の方針のように.


    19. 吃っても「どうしたんやろ。まあいっか」って流してくれる人が増えてくれるといいな


    20. >「話してるとき間空きすぎて何言ってるのか分からない」友達に言われ続けて吃音が悪化しました。
      >こんな時,「あれ?どうしたんやろ。まあいっか」って流してくれる人が増えてくれるといいな

      お気持ちがよくわかります.その通りです.そういう人が増えれば本当によいと思います.でも難しそうですよね. 吃音はそうでない人にはさっぱり理解できない病気ですから,吃音に対する理解を促進するような運動は必要だと思います.でも,吃音者の多くは自分の吃音を気づかれないようにふるまいます.自分が吃音を隠しているのに,吃音を理解してほしいというのは望み薄です.

      周囲に期待しても,周囲は簡単に変わってくれません.だから「吃音が悪化しました」のようになり,自分を傷つけるので損します.結果的に「いつまでも吃音でいたい努力」になってしまいいつまでも苦しみます.

      対策は,「吃ってる.病気だからしばらくはしょうがないな.まあいっか」と流してしまうことです.
      他人はともかく自分自身が「あれ?どうしたんやろ。まあいっか」となれば問題は解決するのですが.
      そうすれば自分が傷つくのが少なくなり,「吃音を治す努力」をしていることになります.治るほうに舵を切っていることになります.思春期の真っただ中,なかなか難しいことなのですが....でもチャンスもやってきますから.

      吃音を隠すことなくどうどうと吃ることができれば,それは吃音完治に大幅に近づいていることになります.これは思春期でなくても,超難しいことですよね.それができないから吃音になっている面もあるのですから.




  9. 吃音の悩み苦しみ
  10. 吃音は苦しい病気です.多くの人は言葉が出ないから苦しいと思っていますが,その奥に心の苦しみの原因を抱えています.


    1. 吃音を受け入れられない?


    2. 「吃音を受け入れる」って,吃音を好きになれっていう意味?,吃音のまま過ごすことを許容するって意味?.すきになんかなれるバズがない.「受け入れられない」というその裏には「努力して吃音を克服しなければならない」.「克服はできないので,克服努力を放棄するのが吃音を受け入れるということ」という考え方が含まれているようです.すなわち,吃音を治す努力はやめて,吃音者のまま生きていこうということらしいです. 

      吃音は病気だから,すでに吃音病にかかっている事実があるだけ.受け入れるも受け入れないもない,病気だからただ治療して治るのを待つだけです.
      治療方法は幼児期ついた心の傷を治すだけ.そのためには,いろんなことにときめき,やりたいこと思い切りやり,自分を肯定し自分を愛で自分を好きになり,イキイキ生きていくことだと思う.言葉がスムーズにでるように努力するのではなく,心が治れば言葉の問題は自然に消えていくのが吃音.

      でもこれでは吃音を治すために努力しているとは思えないのだよねー.そこが問題なのだけどそこがポイント.もしかしたら「吃音を受け入れて治るのをあきらめた」ほうが,このことがやりやすいかもしれない.心の問題は複雑.


    3. なんでそんな噛み噛みで話すのって言われて凹んだ→ウインウインにする方法


    4. >お客さんに商品の説明してる時に吃って
      >「なんでそんな噛み噛みで話すの?どした大丈夫?」って言われたから
      >吃音という障害あって…すみませんって謝ったけど
      >やっぱ自分普通じゃないんだなと思い少し凹んだ。

      「吃音という障害あって」って言えるなんて非常に勇気が必要で,かなり吃音が軽くなっているか軽い吃音のようです.こういう心境になるとこまで行ければかなり前に進んでいます.

      それでも@「吃音が悪いもの」で,A「吃音を隠して吃らずにうまくやりたい」という気持ちがベースにあるようです. だから「吃音ですみません」といって,吃音であることを謝っているニュアンスがあります.だから凹みが感じられるのでしょう.客の下に自分の心理的階級?が置かれている感じです.Aのような気持ちを持つことは人間なら当然のことです.

      >「すみません.今吃音と言う病気で噛み噛みなんです.お気遣いありがとうございます」
      >と言えれば,ウインウインですよ.

      この場合の,「すみません」は,噛み噛みで説明がうまくできないことを謝っています.心理階級が対等で吃音を悪いとは思っていないニュアンスです.だから感謝もできます.当然客さんも感謝されて悪い気がしません.もしかしたら悪いことを言ってしまったと思ってくれるかもしれません.

      心理階級が対等になれば@もAもなくなっている(もしくは弱くなっている)ことですから,吃音が治りつつある,またはその方向に進んでいるということになります.簡単なように見えますがこれがなかなかむつかしいのです.吃音は自分でも気がつけない心の病気.いかにしてそこを治す方向に舵を切れるか?,あの手この手の創意工夫が必要です.


    5. お客様に「すみませんも言えないの?」って説教された。
      「分かってるけど言えないんだって」辛すぎる.どうすればよい?


    6. お客様が「すみませんも言えないの?教えて貰ってないの?」っていうのは,かなりきついもの言いだけど人それぞれだから避けるのは難しいし,「吃音だから分かってるけど言えないんだって」て言うのも当然です.両方当然で吃音者だけが傷つくって理不尽ですね.だけどこれが現実.でも何とか傷つかない方法を取らなければ吃音者ばかり損をする.

      そこで
      1. 吃音者だと気が付くように,ヘルプマークのようなものに「病気で時々言葉が出せません.ご迷惑おかけします」とかいてこういう場合に示せるようにしておく.
      2. どちらも正しいのだから自分だけが傷つくのは理不尽.だからできるだけ傷口を小さくする方法をとる.

      その方法として
      • 「吃音と言う病気中だから当たり前でしょ.わからないほうも悪いのよ.これで正常.正常なことが起こっているのだからこれでよし」とする.
      • 「病気にもかかわらずよくやっている.お店の評判は少し下がるかもしれないけれど私のバイト料に関係がない.一件落着」と割り切る.
      • などなど

      吃音者のように心優しい人はそれでもつらさが解消しないかもしれないので,
      • ジョギングやショッピングなどで心をいやす
      • 好きなことをやって心を開放する
      • SNSなどでつらい気持ちを吐き出す
      • などなど
      で心を開放することです.

      一番やっていけないのが,辛さを感じた上に,「私は悪いことをやった」,「私はダメだ」のように自分で自分をいじめることです.吃音なのに頑張っているし悪いことは何もしてないのだから. 吃音を治す方法は,心にマイナスの栄養を与えず,プラスの栄養を与えることです.


    7. 明日から3日連続発表する場ができちゃった、、なんでなん??泣 → チャンス到来だよ!!


    8. こういう場合「吃るかもしれない」と思って,怖いし,心配だし,不安でいっぱいだと思います.でもどう考えても避けることは困難です.だから(1)「吃ったらどうしよう」と思いながらこわごわ発表し,傷ついて帰ってきます.

      だけどこれってちょっと見方を変えると,吃音を治す絶好のチャンス到来なのです.吃ることも怖いけれどその元には潜在的な怖がりの性格があり怖がっています.そこを理解し対策を立てなければ吃音は治らないのです.性格は急には治すことはできませんが,普段過ごしている人の前で発表することが怖いはずがありません.まして命がなくなるなんてあるはずがありません.だから間違った潜在こころの認識を治すチャンスなのです.(2)不安や心配は横に置いて(ジョギングなどで解消して),積極的に素晴らしい発表になるように内容を含めて準備することです.良い発表をすれば株が上がるはずです.

      もしかしたら吃ることもあるかもしれません.だから吃る覚悟もしてください.吃らないでおこうとすると吃る確率が増えますが,覚悟をすればぐっと減ります.吃る確率を少なくする,旨いプレゼンで株をあげる,自分の気持ちを前向きにする,吃音を治す方向に向かっている,吃音毒素が減る,プレゼン能力が上がる,良いことだらけです.この「自分の明るい未来に向かって歩き始めている」感が大切です.だからチャンスなのです.

      終わったら,吃った吃ってないにかかわらず,吃音と言う病気にかかってながらよくやったとほめて,自分へのご褒美もあげてください.吃音の原因が100あるとすると,これで10から30くらいは減っていることは確かなのですから.ちょっと考え方を変えるだけでよいことだらけです.かなり勇気が必要だけど.いや,こわごわ恐怖の場所に入っていくか,覚悟を決めて入っていくかの違いだけですね.

      こんなチャンスを自分で作るためには,膨大なエネルギーと勇気が必要です.でも何もしなくても向こうからやってきてくれるのです.しかも3回も.なんと強運の持ち主なのでしょうか.「超幸運,,,なんでなん???」なんです.ちょっと見方を変えるだけでこれだけ変わります.と言っても怖いものは怖いですよね.

      (1)は結果的に「いつまでも吃音でいたいという努力」,(2)は「吃音を治す努力です」.吃音を卒業したいと思いつつ,結果的に「いつまでも吃音でいたいという努力」をしている.なぜ吃音が治しにくいか分かったのではないでしょうか.心が関係する病気の特長です.


    9. 「電話しないといけないと思うと、憂鬱になる」.なぜ?


    10. これは生まれてまもなく染み付いた心からきています.また,「憂鬱になる」のその裏には「さっさと電話をしなければならない」,「こんな気持ちになるのは自分が悪い」と言った自分をいじめる心があるのではないかと思います.これも幼児期の「..してはダメ」,「..しなさい」ということなどからくる,生まれてまもなく染み付いた「正しい常識」心からきているのですが.

      「自分の中に生まれてまもなく染み付いた心がある」ことを知っていると,

      @ 「染みつき心があるのだから嫌になるのはしょうがないな」→あるがままの姿,「嫌なものは嫌」は当然で正常
      A 「でもやらなくてはならないし,勇気出してやってみるか」→積極的挑戦
      B できたら「染みつき心をもっているのによくやった」とほめる→賞賛
      C 吃ってしまっても「染みつき心をもち,吃音なのによくやった」とほめる→賞賛
      となり,心に栄養が与えられます.


      マイナス思考からプラス思考,自分をいじめることから自分をほめることに変えられるのです.吃音者は前者思考でどうしてもマイナスの栄養を与え続けてしまいます.「いつまでも吃音でいたい努力」をやってしまうのです.人間ですから.

      これまでのように

      @ 「嫌だなー,なんという弱虫」→自分をいじめる
      A 「でもやらなくてはならないし,こわごわやる」→電話恐怖症を強める
      B できたら「終わった」→今度来たら嫌だな→自分にプレッシャーをかける
      C 吃ってしまったら「大失敗.俺はダメだ」→自分をいじめる

      となれば「いつまでも吃音でいたい努力」となってしまいますよね.

      > 「発信音のプルプル聞くと嫌な気持ちが込み上げてくる」

      「人前で話そうとすると嫌な気持ちが込み上げてきて言葉が出なくなる」吃音と,同じだと思いませんか.だから吃音は言葉の症状として出ますが心の病気なのです.

      > 生まれてまもなく染み付いた心の恐怖心みたいなものは、自分の意思で消せる種類のものではないと書かれていますが、なくすことは可能だと思われますか?

      吃音になるような人は潜在的に怖がりで,そこに育児環境から恐怖心や「嫌な心」がしみついてしまいます.潜在的怖がりは基本治せませんが,しみついた恐怖心は薄めることができます.頭でわかっていても簡単にはできないのがこの心のしみつきを消すことです.吃音もこの心のしみつきによってなっていますので,「しみついた恐怖心をなくす方法」は吃音を治す方法と同じです.

      だから,「しみついた恐怖心をなくす方法」として,サイトの治し方の良生活環境法(GLEM),役立法(BGM)などが使えます.少し過激ですが体験認知法(ERM)もそうです.上のプラス思考もGLEMに入ります.もっと体系的システマティックな方法を提示できれば良いのですが,残念ながらそれはまだ未完です.ぜひ本サイトを参考にして自身の吃音を治してください.たくさんの例が集まれば体系的な方法も確立できるはずです.

      > 吃音の原因が幼少期(特に2歳半)くらいの心因的な環境によるもの、という所は、私の場合、心当たりがあるので、そうだろうなと思っています。

      これまで接した吃音者のほとんどがこういう問題を抱えています.ところが症状が言葉の問題として大きく出るので,言葉の改善に目が行きここに注目されてきませんでした.だから治らなかったのです.おそらく他の心の問題を抱える人も多くは同じだと思います.
      そもそも本サイトは,「大人の吃音者が吃音を治すために,言葉関連などの努力を何もしないのに,いつの間にか言葉が普通に出るようになっていた」ことの研究から始まっています.数十年前です.ここから「吃音は言葉の症状として出るが言葉の病気ではない」が出てきたのです.


    11. 息子が「あした」を「あす」と言い換えるようになった.予期不安を感じている様子.どうすればよい.


    12. 言いにくいことを言い換える知恵がついたということ.成長しているということ.喜んであげて.予期不安は必ず感じるようになります. 楽しくイキイキ過ごせる雰囲気を作ってあげて.治るから.




  11. 吃音対処方法
  12. これまでたくさんの吃音先輩がいろいろな対処方法を発明してきました.少し気づけば意外な対処方法や治りにつなげる方法が見つかります.


    1. 療育の先生から,子供の吃音に家で何もすることはないと言われましたが、どうしようもないのでしょうか?


    2. 子供に吃音が起こると養育支援事業などの力を借りるとお母様は安心しますが,なかなか好結果は得られないようです.

      「家ですることがない」なんてとんでもない話です.子供の吃音を治すには家が一番大切です.

      子供の吃音を治すには家庭の力が必要です.とくにお母さんの力が必須です.お母さんが子供とともに生き生きとした生活環境を作ることが一番大切です.子供にとって大きな大きな存在であるお母様が生き生きしている姿ほど素晴らしい育児環境はありませんから.そこから心に栄養が入っていきますので,これができれば吃音なぞすぐ治っていきます.

      ただ心が充実する生き方は,お母さんやお父さんなど,人間にとって本当にむつかしいことですよね.それは今の状況に満足を感じることから入れるかもしれません.


    3. 吃音外来で吃音の先生に,子供の吃音を「私の子供のころと同じ吃り方」と言われてはホッとしました


    4. 子供の吃音を専門医に相談して重荷が下りたからでしょうか?息子でも先生位に立派に生きていけると思ってほっとしたのでしょうか?それとも仲間ができてホッとしたのでしょうか?

      でもこれは「お子さんは私の子供のころの吃り方と同じです.私は吃音を治せませんでした.だから治せませんよ」と言っているようにも聞こえます.病院は病気を治してもらうところです.ホッとするシチュエーションではないようですよ.


    5. 吃音外来の先生が吃音者で先生のお子様も吃音者でした.治してもらえるのでしょうか?


    6. 原則として,治してもらえることに大きな期待はできません.治せるなら先生が自分の吃音を治しているはずだからです.そのうえ患者も治らなくて,お子様も吃音者だと「吃音は遺伝で治らない病気」とどうしても考えがちです.先生にとってそれが現実,事実だからです.

      でも患者は病気を治してほしくて病院へ行っているはずです.だからここで違和感を感じるのが普通です.ところが不思議なことに結構な人が納得して安心して帰るようです.信頼できる吃音外来で吃音の相談ができた安心感からでしょうか?「高名な先生でも吃音が治ってない.自分が治ってないのは当然だ」,「治らなくても先生ぐらいになれる」と安心するのでしょうか?
      でも病院へ行った目的を忘れないでください.吃音と言う病気を治してもらうためです.苦しむのは自分ですから.

      「吃音は治る病気」の証明は一人でも治った人がいればできますが,「吃音は治らない病気」の証明は困難を極めます.少なくともその人が与えられた人生を終わるまで,一人でも治った人がいないことが必要です.その場合でも「その人の生きているうちには治らなかった」ということしか証明できません.

      しかしもうすでに治った人がいますので「吃音は治らない病気」の証明は不可能です.一方,「吃音は治る病気」の証明は何回も何回もされています.
      といっても全員の吃音が治ることが証明されているわけではありません.この状況が吃音者を苦しめます.治る病気なのに自分が治らずに苦しんでいると思うからです.

      ただこのような先生は,「ご自身があじわった吃音の苦しみを他の人には味合わせたくない」という崇高な志をもって吃音関連の医者になった人が多いようです.素晴らしい人ですので尊敬すべきだし感謝すべき人です.吃音者は寄りそってもらえるだけでも大助かりです.相談にのってもらえるだけで吃音改善に大いに役立ちます.うまくすれば治るかもしれません.

      そうだったら,先生は臨床をやりながら研究者としての面も持ち合わせ,「吃音が治っている人もいる」ことを既成概念にとらわれることなく理解して,吃音治療方法創出に向かって行ってほしいものです.自分で実験ができるのですから.そしてたくさんの苦しんでいる人を助けてあげることを期待しています.


    7. 吃音をどうにかしたい。克服に向けたアドバイスある人教えてください


    8. 克服よりも治すことを目指してください.病気ですから克服するようなものではないのです.サイトを見て知識を得て.吃音の本質を知ることが一丁目一番地です.


    9. 吃音、言語的アプローチも大切だと思うけど心理的アプローチも同時に大切だと思う。今、すごく心理的アプローチに興味がある


    10. どんどん研究してください.ちっと気をつけなばならないのは主に幼児期の心の成長過程が原点にあることです.


    11. 失礼しますが言いにくい。し、し、失礼しますってなる。何かいい方法ないのかな


    12. これでいいのだけど.そう思えれば治る方向に踏み出している.「ッれいします」と言う方法もあります.「ッ」の部分はなんでもよいので,ただ勢いがあったほうがキレのある人間に聞こえる.


    13. 吃音辛いけど、吃音ありながらも苦手な電話対応したり一生懸命生きてる人がいる。自分だけじゃない、頑張ろ、頑張るしかない


    14. 素晴らしい.頑張って生きていってください.でもそんなに真面目にならなくてもよいよ.時間がたてばいずれそうなるくらいの方がストレスが少なくなります.ストレスは心にとって負の栄養.こういう決意は正の栄養.バランスが難しい.


    15. 自己紹介で吃らない方法ありませんか?  基本ありませんが


    16. 気持ちは痛いほどわかりますが,ありません.それができるようなら吃音者ではありませんから.
      吃るのは病気の症状としてごく普通のことで正常なことなのです.風邪をひいて咳が出るのと同じです.ところが吃音は病気自体に心の問題を含んでいるので「吃りたくない」,「恥をかきたくない」と言う気が強くなり吃らない方法を探してしまいます.そして自己紹介するまでに「吃ったらどうしよう,吃ったらどうしよう」と「心配や不安や恐怖心」を増やしていって,知らず知らずのうちに「吃る努力」をしてしまいます.そのうえ「吃るかもしれない」,「吃りたくない」と言う気持ちを持っていると,それが顔や態度にでるのでかなり悪い印象を与え損します.

      吃らない方法はないしどうせ吃るのなら,吃る覚悟をした方が楽です.覚悟をすると悪い印象が消え一つ大きなプラスが増えます.しかも覚悟をした方が吃る確率が確実に減ります.プラス2です.

      覚悟すると心の余裕が少しできます.その余裕で,テクニックを磨きます.たとえば,

      1.最初に名前を言う必要はありませ.話している最中で言える気になった時にどこかで入れればいいのです.
      2.名前の「荒木ゆう」ですが言いにくかったら,ゆう荒木です.英語式に言うとですけど!!
      3.名前を紙に書いて,「私の名前はこう書きます.由来は..,出身地は...」など
      4.名前をたくさん持つ.芸能人や作家はペンネームなどの別名を持っています.時と場合によって名前を使い分けるほうほうもあります.自己紹介では使えない場合も多いですが,店の予約などには便利です.

      いろいろ考えられると思います.吃らないためではなく吃る覚悟をしたうえでのテクニックです.

      自分一人で自己紹介の練習などをしているときには原則吃りません.皆んなの前に立った時吃るのです.すなわち,前にいる皆んなが怖いのです.もちろん意識では皆んなが怖いはずがないと認識しているはずですが,自分で意識できない潜在心が怖がっているのです.皆んなが怖いから吃って,吃ったから苦しんでいるのです.

      こういう場合,吃ったから苦しいと,吃音が吃音の本当の原因をマスクしてしまいます.原因は「みんなが怖い」です.簡単に言えば自分を人前にさらすのが怖いのです.その典型は名前ですから,名前が言いにくい人が多くなります.結婚などして名前が変わっても,最初はいいのですがその名前が自分のものになるにしたがって言いにくくなる人もいます.このようなことは,吃音がどのような状態て発症しているか,吃音の本質は何かがわかれば納得できるはずです(幼児の吃音完治例参照してください).

      吃ってしまったら,「吃ったか.病気だからしょうがない」とさっさと切り替えてください.それでも心が収まらなかったら,何か好きなことや運動などをやって精神状態を安定させてください.心にマイナスの栄養を与えないこと,これが大切です.

      とはいっても,言葉が出ないと困りますので,吃音先輩が作り出した何とか出す方法を「出ない言葉の出し方」にまとめてあります.この方法で出るかでないかは運次第です.あの手この手を使って最終的に心にマイナスの栄養を与えないようにしてください.言葉を出すのは手段で,目的は心にマイナスの栄養を与えないことですから.だから,無理なことがわかっていながらバカなことを言いますが,吃っても心が傷つかないようにすることが大切なのです.

      もう一つ大事なことを忘れてました.どうしても心配や不安はつきものです.この時間をできるだけ少なくすることが大切です.その方法は,ジョギングやスイミングなど少しハーハーする程度の運動をすることです.ジョギング中は不安を忘れられまし,運動は心に大きな栄養を与えますから.


    17. 名前を言わなければならないので美容院予約が苦手. 


    18. 吃音の基本は人が怖いという潜在意識です.人前に自分をさらすのが怖いのです.そのため人前で言葉が出なくなります.ですから,名前はその人そのものですから一番出にくい言葉となる可能性が高い言葉です.

      でも自分と結びついている名前(正式名)を使うときは限られています.公の場所では正式な名前が必要ですけど,それ以外では適当な名前で十分です.作家はペンネーム,歌手は歌手名を持っているように吃音者は適当な言いやすい名前を複数個持てばよいのです.美容院などの予約では別名で十分です.ただこういう名前も自分との結びつきが強くなるにしたがって言いにくくなる傾向にありますので,その時はまた新しい名前を作ればOKです.

      正式な名前をどうしても言わなければならない場合には,紙やヘルプマークに名前を書いていって「名前はこれです」,「名前はこういう字です」などといって見せます.見せれば名前を言える可能性が格段に増します.それが吃音です.見せるだけで言わなくてもいいのですが,言える気になれば練習と思っていったらいかがでしょうか.この方法はちょっぴり勇気が必要ですが,言えるかどうかを気にしてびくびくするより,最高に良い方法です.

      前者は「いつまでも吃音でいたい努力」,後者は「吃音卒業の努力」です.知恵を出して乗り切りましょう.


    19. 自分が苦手な単語とか、話す前から言うのを逃げてしまう。例えば名前なんて言うの?と聞かれたとき、話す前から名札を見せてその場を誤魔化したり


    20. 「名札を見せる」なんて最高の方法.「あったまいい」とほめなければ.逃げたなんて考えると結果的に「これれもいつまでも吃音でいたい努力」をしていることにります.吃音と言う病気にかかっているのに,積極的な素晴らしい対応をしている.俺は天才.くらいに思えればよいのに.


    21. 言い換えする自分を責めます.


    22. 言い換えをしないで出にくい言葉を出すべきと考えて,言い換えする自分を責める人がいます.
      出ない言葉を言い換えるのは卑怯だ,出にくい言葉を出るように努力すれば吃音が治る,と思っているのでしょう.でもこれは大きな考え違いをしています.「すべての言いにくい言葉が出るようになれば吃音は治る」は真実でも,すべての言いにくい言葉は努力では出るようにはなりません.「すべての言いにくい言葉が出るようになれば」が不可能なことだからです.「卑怯だ,努力」の言葉に吃音になった原因の匂いがします.
      吃音が治ればすべての言葉が出るようになりますが,出にくい言葉はいくら訓練や努力しても少しは楽になってもいつまでも出にくいままです.だから吃音は治りません.

      吃音は心の病気です.だからこのように自分を責めて心を痛め続けるとますます吃音を重くします.現実生活では何とかコミュニケーションがとれたら大正解です.だから上記に述べたように,言い換えでもなんでもどんどん使って,病気にもかかわらずうまくやっている自分をほめてください.吃ったら吃ったで「吃音病を患いながらもよく頑張っている」と自分をほめてください.「言い換えた.また逃げた」「吃ったから失敗した」と思って自分を責めるのは「吃音を治さない努力」をしていることになります.だから治りません.


    23. コミュ力って初歩的(?)なとこは、初めての人に自分から話しかけることだと思う。


    24. それは決めつけすぎ.こんなに気を使わなければ吃音は治る方向に行くのに.こういうところに自肯定感の低さがでてきたりするコミュ力乏しかっても十分生きていけますよ.


    25. 予期不安を無くすにはどうすればよいの?


    26. これが吃音でつらいところですね.でも残念ながら無くし方はありません.吃るのが怖いのは当然なのですが,その元には人前に出るのが怖い,という性格が潜んでいます. というのも,吃音になる人は,潜在的な怖がりの性格を持っていますから心配で怖いのです.怖がりの人に怖がるなと言っても無理です.怖いのですから怖がっているよりしかたがないのです.
      不安を少なくする対症療法として,ジョギングやスイミング,散歩などもあります.これが結構効きますが,これが予期不安解消法と思えないところが問題点です.

      予期不安を感じれば感じるほど吃る確率が増えますます吃ります.その結果ますます予期不安を感じるようになるという悪循環に陥ります.「吃りたくない,吃ったらどうしよう」と怖がることは,結果的に,「吃りたい,吃りたい,いつまでも吃音を治したくない」と一生懸命に努力していることになってしまうのです.「いつまでも吃音でいたい努力」になってしまいます.
      「心の病気を持っている人はいつまでもその病気でいたいとしか思えない行動をとる」と言われていますが,吃音者もその通りの行動をとります.心の病気の一種ですから当然ですが.

      不安がっても不安がらなくてもどちらにしろ吃ります.だから吃ることは覚悟して,「実際に吃った時は堂々と吃ってやる」と開き直った方が,吃る確率はぐっと減ります.当然吃音環境が好転しますので,吃音を治す方向に舵を切っていることになります.そのためには「開き直る勇気」と吃っても少しくらいのことはスルーする「鈍感力」が必要なのですが.

      これを抵抗なくする方法が,下記「吃音を受け入れられない?」にある「イキイキ生きる」ことなのです.だからこれが吃音を治す一番楽な本道となるのです.ただ,「これが吃音を治す方法?」と思えぬところが問題点なのですが.


    27. 吃りそうな語の反復練習は効果あるのかなあ?


    28. 吃らない効果は全然ありません.しかし,声を出すことは気持ちがいいしその間は不安を感じてないし,効果があると思っているので,そういう意味で効果はあります.ただし,反復練習は効果があると信じてないと効果半減です.こういう効果を良い副作用と言っています.反復練習は効果がないのだけれど,それをするもろもろのことが結果的に効果をもたらしています.
      当然ですが,非吃音者が練習するのと同じ練習効果はあります.


    29. 逆腹式呼吸やればやるほど、これで合ってるのかと思う


    30. 「声を出すことに関係する訓練をすれば吃音が治る」というこれまでの典型的な方法.やってもいいけどやらなくてもよい案件.やるんだったらこれが効くと思い込んだ方がベターです.

      吃音には,自分の心が満足できる要素が含まれれば,それは心へのプラスの栄養になります.非常に雑な言い方をすれば,プラス栄養さえ含まれれば何でもよいのですが.声を出すことや呼吸には心を整える作用があります.そこがpointです.でもこれではおそらく改善されるのがせいぜいでしょう.そこから本質的な治し方には入れれば最高です.




  13. 間違いだらけの吃音都市伝説
  14. 吃音は症状が「言葉が出にくい」ということなので,たくさんの間違った都市伝説がうまれてきました.

    1. 吃音専門家が「吃音は心理的な原因ではなく、脳のある働きによっておこされる現象」と言っていました.本当なの?


    2. これは正確には「吃音現象は不安やストレスのような心理的なもので発症するのではなく,脳のある働きによって起こされている」と言いたかったのでしょう.

      これって何か科学的な真理を言っているようで実際は何も言っていないのですよね.基本,人間の総てのことは脳が中心になって起こされます.心理的なものも脳のある働きです.だから前半も後半も,すべて脳のある働きによって起こされていると言っているだけで,素人でもいえることです.人間の総ては脳の働きによって起こされていますので(注),ごく当たり前のことだからです.この専門家は本当に専門家なのでしょうか?

      もしかしたら,周辺環境には関係なく脳の病気によって吃音になる,または,お母さんのせいで吃音になるのではなく脳が吃音を引き起こしていると言いたかったのでしょうか?

      本サイトで明らかにしていることは,「吃音は持って生まれた心の資質と環境によって発症し,発症するとまたその資質と環境によって吃りを強くする」ということです.もちろんこれらは脳の働きによっていることは当然すぎるほど当然です.

      吃音者の脳を調べた結果,脳に異常が見つかったという知識を得て上記のようなことをいっているのなら,

      @脳が異常になったから吃音が起こっているのか(脳異常→吃音)?
      A吃音が起こったから脳が異常になったのか(吃音→脳異常)?
      の因果関係を明らかにする必要があります.

      前者@(脳異常→吃音)だとすると,
      B何が脳に異常を起こしたのか?
      C脳の異常がどういうメカニズムで吃音を発症させているのか?
      を明らかにしなくてはならないし,

      後者A(吃音→脳異常)だとすると,
      D何が原因で吃音が起こっているのか?
      E吃音はどのようなメカニズムで言葉を出しにくくしているのか?
      F吃音がなぜ脳を異常にするのか?
      を明らかにしなくてはなりません.

      脳を吃音の説明に使うといかにも科学的に解明されているように思います.しかし,脳のようなまだほとんど解明されてない分野に入ってしまうと今のところ隘路に入ってしまうことは確実です.だからBからFまでのようなわからないことが起こってしまします.

      そういうことを避けるために,本研究所では現象として起こっていることだけで「吃音は持って生まれた心の資質と環境によって発症し,発症するとまたその資質と環境によって吃りが発達する場合が多い」と吃音を説明しています.多くの吃音者からの情報がこのことを明らかにしてくれました.ぜひ先輩吃音者たちの多くの経験談をお読みください.

      幼児期の悪環境は脳の成長に悪影響を与えることがマルトリートメント(発達を阻害するような不適切な養育)などあちこちで明らかにされるようになっていますから,吃音もとうぜん脳にも何かの悪影響が及んで何らかの異常があってもおかしくないはずです.そういう結果も出つつあるようです.だから,A(吃音→脳異常)は,十分ありうることです.

      (注)厳密に言えば,最新の研究では脳だけではなく,いろんな器官も関与した複雑なシステムによって行われていることが明らかになりつつあります.


    3. 吃音外来の先生が吃音者で先生のお子様も吃音者でした.治してもらえると信じてます


    4. 原則として,治してもらえることに大きな期待はできません.治せるなら先生が自分の吃音を治しているはずだからです.そのうえ患者も治らなくて,お子様も吃音者だと「吃音は遺伝で治らない病気」とどうしても考えがちです.先生にとってそれが現実,事実だからです.

      でも患者は病気を治してほしくて病院へ行っているはずです.だからここで違和感を感じるのが普通です.ところが不思議なことに結構な人が納得して安心して帰るようです.信頼できる吃音外来で吃音の相談ができた安心感からでしょうか?「高名な先生でも吃音が治ってない.自分が治ってないのは当然だ」,「治らなくても先生ぐらいになれる」と安心するのでしょうか?
      でも病院へ行った目的を忘れないでください.吃音と言う病気を治してもらうためです.苦しむのは自分ですから.

      「吃音は治る病気」の証明は一人でも治った人がいればできますが,「吃音は治らない病気」の証明は困難を極めます.少なくともその人が与えられた人生を終わるまで,一人でも治った人がいないことが必要です.その場合でも「その人の生きているうちには治らなかった」ということしか証明できません.

      しかしもうすでに治った人がいますので「吃音は治らない病気」の証明は不可能です.一方,「吃音は治る病気」の証明は何回も何回もされています.
      といっても全員の吃音が治ることが証明されているわけではありません.この状況が吃音者を苦しめます.治る病気なのに自分が治らずに苦しんでいると思うからです.

      ただこのような先生は,「ご自身があじわった吃音の苦しみを他の人には味合わせたくない」という崇高な志をもって吃音関連の医者になった人が多いようです.素晴らしい人ですので尊敬すべきだし感謝すべき人です.吃音者は寄りそってもらえるだけでも大助かりです.相談しアドバイスを受けることは吃音を大きく改善させます.うまくいけば治ることもあるはずです.

      だから先生が臨床をやりながら研究者としての面も持ち合わせ,「吃音が治っている人もいる」ことを既成概念にとらわれることなく理解して,吃音治療方法創出に向かって行ってほしいものです.自分で実験ができるのですから.そしてたくさんの苦しんでいる人を助けてあげることを期待しています.


    5. 吃音って治る病気?    と吃音治療関係者


    6. 完全に治った人が結構いますから「吃音は治る病気です」.これは何回も証明されていますので完全に正しいことですが,そうはいっても全員が治せるかどうかはまた別の話です.でもツボを外さなければかなり多くの人が治ったり,実生活上問題ないレベルになっています.

      吃音経験者は次のように考える傾向にあります.
      @吃音が治らなかった人は「吃音は治らない病気」と言います.
      A吃音がある程度改善した人は「吃音は改善する病気」と言います.
      B吃音が日常生活ではほとんど出ず,たま〜に出る人は「吃音はほぼ完全に治る病気」と言います.
      C吃音が完全に治って普通の人と同じになった人は,自信をもって「吃音は治る病気」と言います.

      @からCまで,その時点でその人にとってはすべて正しいことです.AからCまではそういう人が多数存在しますのでそのとおりであるという結論が出ています.ただ@だけは,その人が死んだ時しか言えないので結論を出すのは時期尚早です.というか,その時は本人が死んでいるので言う人はいません.だから@は「これまでの経験では正しい」としか言えません.というわけでAからCまでが間違いなく正しいことで完全に証明されています.@の人も歳を取ると,話したり人と会ったりする機会を多く持つので,少なくともAになっている場合がほとんどです.

      「自身が味わった苦しみを他の人に味合わせたくない」という崇高な志をもって,吃音の研究者や医者,言語聴覚士,カウンセラーになる人も多いようです.このような人は,圧倒的に@,A,Bの人です.@の人は上記のことから悪影響をあたえてしまいます.

      Cの人は完全に治って普通の人になってしまっているので,吃音のことなどすっかり忘れてしまって普通の人と変わらない活動をしている場合が多いです.普通の人と同じ活動に追われて余裕がないせいか,再発したら困るという思いもあってか(再発しないのだけど),吃音関係の活動に携わっている人が多くないように感じています.このての人がたくさん吃音活動に携わってくれると良いのですが.自信をもって「吃音は治る病気」,「吃音は心の病気」を基本として活動してくれるはずです.

      A,Bの人は自身が体験した以上のことには自信が持てません.自分の吃音が完治したCになりたいけどなれてないからです.吃音は治る病気,完治する病気ということに今一つうたがいの目が抜けません.また,「吃音が言葉の病」ということから離れることは殆ど困難です.この状態では「完治」ではなく「克服」と言う言葉を使いたがります.

      でも吃音は病気ですから,「克服」ではなく「治す」が基本です.まあ,A,Bで実用生活上問題がほとんどなくなったら十分です.吃音者の人たちはこれ以前のことで苦しんでいますから.

      これ以外にD吃音でない人が吃音関係の活動をする場合もあります.この場合吃音が言葉のつまりとして出るので言葉の病気と勘違いすることもあります.一方で心の病気と考える人は,一般の心の病気と同じと考えがちです.吃音は幼児期の心の成長を含む病気なので,幼児期の心の成長に関する専門家だとかなり的を得た治療になる可能性があります.でも非吃音者が吃音の症状を実感するのはほとんど不可能に近いことです.ただこれらの人は吃音を完全に客観的に見ることができるという良い点もあります.

      たまに青年期の暴力,不良行為,非行少年などの問題を取り扱う専門家が,その中でたまたま吃音者に遭遇しこの活動に入ってこられる人がいます.青年期に問題を起こすような人は,その問題の原因が幼児期の心の問題にあることが多いので,その吃音治療活動が意外と的を得た活動になっている場合が多いようです.

      このような背景がありますのでいろんな吃音治療が生まれています.多くの人がこの分野に入ってこないと,吃音者の苦しみを無くすことは不可能ですので,たくさんの先生や研究者がいることは良いことです. それだけにいろんなフェークを含んだ吃音論や吃音情報があふれています.

      だから吃音者はこのような状況を理解したうえで,的確に判断してご自身の吃音に向かう知恵が必要なようです.見極める方法は「どれだけの吃音者が治っているか」です.もちろんたくさん治っているところが良いところです.Cにあたれば幸運です.


    7. 左利きを右利きに直したから吃音になった.戻せば治る?


    8. 「 昔から,左利きを右利きに直したから吃音になった」といことをよく聞きます.だったら,それを元に戻せば吃音が治るのでしょうか?

      答えは「yes」です.

      この中には,「子供が将来不利を被らないように今のうちに右利きに直しておこう」という親心が含まれています.そこには「子供の生まれたままの姿を強制的に変えてしまう」という負の側面もあります.親は子供のためにやっていることですが,子供の成長段階と心のことを注意深く見守りながらやらないと,子供はこの時深く傷ついてしまう可能性があります.この心の傷が吃音を発症させています.吃音トラウマです.だから,元の左利きに直すと同時に元の傷ついていな心に戻せれば吃音は治ります.それが答えの「yes」です.

      もっと言えば,右利き左利きに関係なく,心の傷さえ癒せれば吃音は治るということです.心の傷をいやせずに,右利きを元の左利きに直すだけでは吃音は治りません.

      このようなことが起こる家庭は立派な家庭です.そこで生まれた子供も立派な良い子です.その組み合わせが吃音を生んでいるのです.「マルトリートメントによる吃音発症」です.基本的には利き手そのものには関係していないはずです.

      これまでこれで吃音が治ったという話は聞いたことがありません.結果的にはほとんどの場合,「利き手を元に戻したけど吃音は治らなかった」となるはずです.


    9. 音読練習などで言いにくい言葉が言いやすくなる?


    10. 音読の練習など言葉をだすための練習は,基本的にはこれで言葉が出やすくなるわけでもなく,吃音が治るわけでもありません.ただ,以下のように本番で吃らないことに対してメリット,デメリットが両方あります.
        プラス効果
      1. 言葉が出にくいのは,その言葉を出すとヤバイといって吃音トラウマが判断することなので,何回も発声することによりそれが少しは和らぐ.
      2. 発声器官の訓練により吃音トラウマの制御を弱くできる可能性があるので少しは出やすくなる
      3. 発表前は心配で不安でしょうがない時間を過ごすけれど,練習に時間を費やすることでその時間が減り,自分をいじめることを少なくできる.
      4. 声を出すことは自律神経を整えるし,これだけ練習したのだから吃るのが減るはずだと思え,気が楽になる.

        無駄効果
      5. 人前が問題なので,一人での発声練習などは何の役にも立たない.

        マイナス効果
      6. 練習によって吃りやすい言葉があることを繰り返し繰り返し心に刻み付けるので,本番で吃りやすくなる.
      7. 音読などでは吃りやすい言葉がある場所もわかるので,そこに近づくに従って吃音トラウマを刺激し吃りやすくなる.

      プラス効果は3,4が中心で,プラス効果3,4が勝つか,マイナス効果6,7が勝つか,微妙です.6,7は「いつまでも吃音でいたい努力」にもなってしまっていますので注意が必要です.


  15. 呼吸法や発声練習で吃音治る?


  16. 呼吸法や発声練習そのものでは治りませんし,実社会で問題ないほど軽くもなりません.呼吸が下手で吃音になっているわけではありませんし,腹式呼吸ができないから吃音になっているわけでもありませんから.この主張の一番大きな問題は,吃音を言葉の病気として扱っているところです.
    ただ,これまでかなり軽くなっている人もいるのでその人は効果があったと確信しているはずです.本人の経験的には嘘ではないし,事実そのものだから自信を持っているはずです.しかもこの方法は自信を持ては持つほど,信じれば信じるほど効果的になります.だからどうしても「吃音克服法」として人に勧めたくなります.が,それで克服できる理由を説明できているわけではありません.

    なぜ軽くなるのか?
    これには心に栄養を与える「良い副作用」が関係しています.吃音の本質を理解しているとよくわかりますが,呼吸法や発声練習などには次のような「良い副作用」が含まれているのです.
    1. 治すために呼吸法などをやっていると,いかにも治す努力している気持ちになれる.
    2. 発声そのものが気分がよいし,練習などで発声が良くなって気持よくなれる(誰でも).
    3. 吃音のために呼吸がぎこちなくなっていたり,筋肉などが緊張して話しにくかったのが少し楽になり,希望が生まれる.
    4. 話し方教室などでは
      • 人前で話すという実践が加わっている」場合が多い.
      • 仲間がいることがわかり孤独から解放される.
      • 仲間と話すなど気楽な気持ちで人と接することが増える.
      • いろんなところで話しかけるなど実践したくなる.
      • 発声練習や呼吸法などをやると気持ちよくなれるし,いかにも吃音治療をしている気になれる.
    5. 治そうという前向きの気持ちができる.
    6. 効果をためすために電話に挑戦したり話す機会が増える.このとき独りぼっちと言う意識がかなり緩和されている.
    7. ..........

    などなど,前向きの心になったり,人と接する機会が増えたり,人と話す機会が増えたり,精神的に楽になったりして,人に慣れ,周りの人は怖くないということを経験すると同時に心への栄養を与えています.良い副作用いっぱいです.
    「呼吸法,発声練習などで治る」は,これまで繰り返し繰り返し言われてきたことです.大きな効果を出しているのは呼吸法や発声練習そのものが主ではなく,この良い副作用が効果的なのです.

    呼吸法や発声練習を何もせずに治っている人もいますので,「呼吸法などで治らない」と頭から否定してもよいし,「呼吸法などをしなくてもよい」と言い切ってもよいのですが,良い副作用のことを考えると一概に「やっても無駄」とも言えません.逆に信じる気持ちが強ければよい副作用も強くなりますので,「呼吸法などは吃音を治す良い方法であるので,それを信じきってやるべきだ」とも言えます.心が関係する病気は奥の奥がありますので本当に厄介です.
    荒い言い方をしますと,「心が楽になるものなら何でも良いのです(できれば人の中で)」となります.荒すぎだけど.

    しかし吃音の本質を知って,ここから自分のためになる部分を抽出して利用できるとことは利用し,そうでないものをスルーするなど,混濁飲み込むたくましさと心の余裕をもって過ごすことはよいことです.

    「呼吸法など」を吃音を治すためのメインな方法とするにはあまりにも無理がありますが,コーラス,詩吟,浪曲,カラオケなど,良い副作用いっぱいです.そういうことがあるので,「心に栄養を与えるものはなんでも利用すべき」という考え方で,「吃音ドットコム」や本サイトに「良い副作用法」としてまとめました.どんどん挑戦してください.挑戦することは吃音を治す本道であるイキイキ,ワクワク生きることにも通じますので.


  17. 子供の吃音は成長に伴って自然消滅する?


  18. 吃音は心の病気ですから心が癒されると調子が良くなり消えることもあります.「成長に伴って自然消滅する」はこれから起こる現象のことを言っています.自然に消滅しているのではなく,ちゃんとした理由アリで消滅しています.

    その理由アリは

    @保育園へ行くなどで家庭以外の新しい世界が広がる
    A外の世界で良い友達ができるなどして心が癒される
    B母親と離れる時間ができてストレスが減る
    C母親も子供と離れる時間ができストレスが減り心に余裕ができる
    D内面の成長にともなって心が強くなっていっている

    です.

    Bはかなり大きいのですが,逆に親から離れることによる不安などもあるのでバランスが問題です.母親はこの不安のことを気にします.「保育園に行きたくない」ということもありますが,その心は「母親と離れる不安」だったりします.特に愛着がうまくいってなかったり,マルトリートメントがあったりするとこれが出てきます.
    Cも大きいです.四六時中一緒だった親子に離れる時間ができ,Bとともに親子ともに心に余裕ができて,育児環境,家庭環境が良くなり吃音が好転します.

    どちらにしろ,「子供の吃音は成長に伴って自然消滅する」は,逆に考えると「吃音は成長不足によって発症している」ということを意味していますが,そうではなく,その子供の成長段階にふさわしくない育児環境からのストレスによっていて発症しています.だから自然に吃音が消滅しているように見えますが,育児環境が好転して治っているのです.だから吃音を治す方法として環境をよくする環境調整法が出てくるのです.

    「子供の吃音は成長に伴って自然消滅する」ならば,「子供は生まれつき吃音を発症するように生まれており,成長に伴って治る」ということになり,「治らなかった子供はそのように生まれており,吃音者となって一生苦しみざるを得ない」となってしまいます.
    理由アリの神髄は「吃音トラウマ」の消滅です.


  19. 言葉の言い換えはなるべくしないでって言われたけど、なんでダメ?


  20. 自分の言いたいことが通じれば何でもよいのです.だからどんどん言い換えてください.現実社会をうまくわたって自分の心を楽にすること,これが吃音治療の原則です.なぜなら,幼児期自分の心が苦しくて吃音を発症しているのだから.手を振ったりする随伴反応もOKです.でもこれで周囲の人がおかしく思ってそれが自分を苦しめ始めたら,要注意です.「自分を少しでも快適にする」という原則に反するからです.

    しかも吃って言葉が出ないとコミニケーションが取れませんが,言い換えれば少し違和感があっても何とかコミニケーションが取れます.だから,自分にマイナスが起こらない限りいろいろ工夫することが必要です.言い換えなんて最高です. もしダメと言う人がいたら,永遠の5歳児チコちゃんのように「なぜー?」って聞いてみてください.


  21. 子供を産むと遺伝で子供が吃音になる.だから結婚できない?


  22. 吃音が遺伝するのならすごい単純です.遺伝以外には吃音にならないし治らないことも分かっているので治す努力も必要ないことになります. でも治ってる人もいるし遺伝以外でもなっている人もいるしどう考えても遺伝説は無理があります.
    研究結果では,吃音は内面成長が阻害されるような不適切な養育環境で発症することがわかっています.だから吃音は遺伝ではありえません.遺伝らしく見えるのは,不適切養育環境を作る世代連鎖と,怖がりなどのような性格の遺伝が関係しているからです.人間は幼児時代の親からの刷り込みによってその基本が作られ,親になったら自分の子供時代に刷り込まれたことを子供に行います.これが世代をまたいで受け継がれていくのです.世代連鎖です.だからぜひ吃音の本質を理解して,次の世代に伝えることを止めるべきです.

    「吃音だから結婚できない」のように,心が関係する病気はいつまでもその病気でいたい努力,すなわち吃音の場合は,「いつまでも吃音でいたい努力」をしがちで,結果的にそれが「自分の子供をぜひ吃音者にしたい」努力になってしまいます.

  23. 吃音を治してあげたいので言語ケアー専門家になりたいのですが


  24. 言葉の問題で苦しんでいる人を助けたいというのは非常に崇高な考え方です.ぜひ,頑張って専門家になって苦しむ人を助けてあげてください.

    もし,吃音で苦しんでいる人を助けるためにそう考えてるなら,その前にやることがあります.ご自分の吃音を言語ケアー専門家に治してもらってください.そうなればあなたも将来吃音を治してあげられます.治してもらえなかったらあなたが専門家になっても治してあげることはできません.

    むかし,お母さんが子供の吃音を治してもらいたいので言語ケアー専門家に相談したら,その人が吃音者であったようです.それで「自分の吃音を治せない人が子供の吃音を治してくれるのだろうか?」と疑問に思ったという例がありました.そうならないためにもぜひ自分の吃音を治してもらってください.

    考慮しなくてはならないことは,「吃音は言葉の病気ではなく心の病気である」ということ.これをどのように言語ケアーに取り込むか,難しいところです.吃音を治してあげたいのなら,吃音を考慮した心のケアー専門家になるほうが目的を達せられます.

    もしかしたら,つらい自分の心の中に小さな光をともす行為かもしれない.そうだったらごめん.


  25. 言語ケアー専門家から吃音は生まれながらの話し方と言われました


  26. まだこんな専門家がいるのですね.20年以上たっているのに.知らないのでしょうね.吃音になるような子供の多くは,言葉が早くて機関銃のように話していたことを. 生まれながらの話し方なら,吃音者はペラペラ,うるさいくらいに雄弁な人ということになるね.まだ,こんな常識が専門家の間でまかり通っている.困った.


  27. 言語ケアー専門家から「子供が興奮すると吃音が酷くなるから興奮させないで」といわれました


  28. 興奮して吃っているわけでないのに,これも困った.イキイキするということは喜怒哀楽を率直に表せる環境にいるということだから,吃音を治すには良いことなんだけど.これができなかったから吃音を発症しているということを知らないようだね.吃音は心の病気だから言語方面から解釈すると間違ってしまうのだけど.困った.吃音を治す専門家とみられている言語ケアーの人でさえこうだから,都市伝説にあふれているのもしょうがないのかもしれません.その結果被害を被るのが吃音者なんだから.本当に困った.
    これから見ると,下記のアンケート1の結果「専門家にかかった方が治らない」は人数は少ないけども当たっている可能性大.


  29. 言葉の教室などの効果


  30. 言葉の教室などに行くメリットとデメリットは次のようになります.
      1.教室などに行くメリット
    1. 治療を受けた効果
    2. 治療を専門家に任せるお母さんの安心感
    3. 育児から離れられる時間ができるお母さんの心の余裕
    4. 吃音者が家庭から離れる時間が増えできる心の余裕
    5. 吃音者に他の社会が開ける
    6. 友達にあう
      2.デメリット
    1. 間違った治療からくる悪影響
    2. 新しい社会からくるストレス
    3. お母さんから離れる不安感

    上記のメリットとデメリットを比較して
    メリット > デメリット
    ならば言葉の教室訓練などに行ったほうが良いことになり,
    メリット < デメリット
    ならば,行かないほうが良いとなります.


  31. 言葉の教室などアンケート結果


  32. アンケートに答えてくれた人は全部吃音者のはずです.そうするとここからは,吃音を発症した後,言葉の教室や言葉の訓練などの治療を受けたほうが吃音を持ち越しやすいという結果が出ています.



    これは,メリットよりデメリットの方が多いということを示していますので,ここから言葉の教室などにはいかないほうが良いという結論が導かれます.
    もし,結果が50%,50%だったら,メリットとデメリットが均衡しますので,「言葉の教室」に行っても行かなくてもどちらでもよいよという結論になります.どちらにしろ言葉の治療はしないほうが良いという結論がでてますが,言葉の病気ではありませんので当然の結果ですけど.でも先生方に怒られそう.




  33. その他もろもろ
  34. これまで吃音の原因を突き止められなかったので,不思議な説がたくさん生まれています.



    1. 受け入れ派の誕生


    2. これは本サイトが始まったころのことです.「吃音は治らないから,治す努力をやめよう」といっている団体があるということを聞きました.本サイトはもともと「吃音が完全に治った大人の研究」から始まっていますので,「吃音は治らない病気」という考え方は最初から全くありませんでした.吃音は治る病気ですが全員が治るかどうかは別の話です.

      1)あらゆる吃音を治す努力をしても治らなかった人がその労力の無駄さに気がつき,治す努力をやめ一人の人間として生きていくことが大切だということを,吃音者の集まりで広めたことが受け入れ派の始まりのようです.おそらく今でもそこでは「治す努力」ということはタブーになっているかもしれません.
      2)それに反対したのが吃音を治す努力をして軽くなったり治ったりした人です.

      1)は吃音治らない派,2)は吃音治る派です.1)も2)もそれぞれにとって事実で正しいことですから論争しても結論が出ず争いが始まりました.

      はっきり言えば,1)は「治らない治す努力」をしていたので「吃音は治らない」という結論になり,2)は「治す努力」で軽くなったり治ったりしていましたので,「治す努力をすべきだ」という結論に達していたのだと思います.が,そこから吃音の正体にたどり着くことはできませんでした.実際にはその努力そのものではなく,そこにある良い副作用で効果がでていました.治る派も「治らない治す努力」をしている人が多いようでしたが,あらゆる努力をしているうちに軽くなったり実生活上問題なくなったりしていました.

      「吃音は治る病気」の証明は治った時できますが,「吃音は治らない病気」の証明は,その人が死ぬ間際しかできません.だから「吃音は治らない病気」の決定は早すぎです.

      1)は「吃音は治らない」部分を除けば,社会との接点も増え治る方向に向く可能性がありますし,2)も前向きで人に接するので良い副作用も多くなり,当然治る方向に進んでいることになります.ただし,「治る努力」によって治ったと思っていると治らない人もでて,旨く行って改善で終わってしまう可能性が大です.だからこのような論争は全く無駄な神学論争になってしまうのです.こんなことをやめて前項で述べたように吃音の正体を知って的確な対策を立てることが必要です.「治る治す努力」です.難しさはあるのですがたくさんの人が治っています.社会で活躍して吃りながらもイキイキ生きていくことが治す努力の中心ですから.最初は勇気が必要ですが,積極的に社会に出ていき活躍してください.


    3. 吃音者同士の争い.改善派と受け入れ派どちらが正しい


    4. もう何十年もこんなことを繰り返していますね.こんなことで争っていても実りがないので無駄. どちらでもよいのでさっさと実行してみたら.大きな差はないから.

      本当に吃音を治したかったら,現状を受け入れて治す努力をすることです.問題はこの治す努力.なにが治す努力でしょうか?これまで言われてきた治す努力は,ほとんどは「治らない治す努力」.だったら受け入れて何もしないほうが気持ちがそれるから意味を持ちます.

      やるべきなのは「治る治す努力」.ここには改善派のやっていることと受け入れ派のやっていることのすべて入っています.

      こんな争いでエネルギーを使うのなら,そのエネルギーを吃音の本質を知って,「治る治す努力」に使ってみたら.吃音の本質を知ったらこんな争いバカみたいに思えるから.

      やるべきことは吃音の正しい理解とそれにもとずく「治る治す努力」です.改善する努力ではありません.治るための努力です.サイトを見て自分で判断して.


    5. 先生が,障害手帳作ったら吃音改善やめる人が多いというので保留になりました


    6. そういうこともありかとも思いますが,こういう場合,どのようにすれば改善するのかも聞いてください.できれば治し方も.どん欲に先生の持っている知識を吸収するのもよいはずです.

      先生の言う「吃音改善をやめる」は一般に言う言葉を出やすくする訓練かもしれません.もしそうだとすると,言葉の訓練そのものは言葉を出しやすくすることに少しは貢献するかもしれませんが,吃音を治すことに対する貢献度は殆どありません.こういう意味では「吃音改善をやめる」は大きな問題ではなくなります.もちろん「真の吃音を治す努力,生き生きすること」はどちらにしろ必要です.

      逆に,障害手帳をもらうとどういうメリットがあるのかわかりませんが,手帳をもらって楽になり,生きやすくなるのなら吃音が治る方向に動く可能性があります.この状態で「真の吃音を治す努力」をすることです.そのため逆に手帳をもらうのも吃音を治す一手段としてはよいのかもしれません.

      WHOなどの障碍者の定義によると吃音者も障碍者に入る可能性が高そうですが,個人的には,吃音は治る病気なので障害とは考えたくない意識があります.
      どちらにしろ吃音は心の病気,治療はあの手この手が必要で正解は一つではありません.いろんなものを参考にしたうえ自分の選択を信じて進むのが一番のようです.自分を信ずること,は吃音を治すための基本ですから.

      「障害手帳は簡単に出ないしそんなことにエネルギーを使いたくない.どうすればこの患者さんを納得させることができるのだろう」という大人の知恵も垣間見えるようです.だから改善方法も同時に教授願わないとダメなのです.


    7. 吃音治療が有料とはけしからん?


    8. 吃音は風邪や心臓病のように病気そのものですから,他の病気と同じように治療費を払って病気を治すシステムができるべきです.すべてのものがそうですが経済性が成り立たないと維持することは不可能です.経済性が成り立つ継続的なシステムができないと,多くの吃音者が苦しみから逃れることはできません.

      これまでも「吃音を治す」とうたう有料のいろんな組織がありましたが,残念ながらほとんどがひどいものでした.全部と言っていいほどのものが,科学的な根拠なしにやっていたから治ることはありませんでした.どういうものであったかは「吃音ドットコム」→「民間療法所」に,吃音先人たちが体験談を提供してくれています.最近では70歳近くで吃音を卒業された方もあらゆる経験をされています.いまになっても似たり寄ったりのところがいっぱいあります.だから「吃音治療が有料とはけしからん」が生まれてしまったのです.

      吃音外来のような公の組織や有名な大学病院(保険診療可能であったと思いますが)もありますが,吃音者の要求を満たすこととはかなり距離がありました.その原因は世界的に吃音と言う病気の本質を把握していない傾向にあり,多くの場合は言葉の病気として扱いがちです.以下に示すように,幼児の吃音を治すのに大きな役割を果たすのが親で,大人の吃音を治すのは原則自分です.大人の場合は治るには結構時間が必要ですので,これも病院で治すことを難しくしている理由の一つです.

      本サイトで多くの先輩吃音者が明らかにしてくれたように,吃音は幼いときについた心のトラウマが原因です.これを取り去ることによって吃音は治ります.いっぱいの体験談が「吃音ドットコム」に集まっており,覚悟しないと読み切れないほど多数です.

      吃音は,単純化すれば,心に栄養を与えることによって治ります.これは幼児の場合は親ができるのですが,大人になったら誰も与えてはくれません.だから大人になったら,基本,本人がやらなくてはならないので治しにくい傾向があります.幼児の吃音を治すのは親中心,大人の吃音を治すのは本人中心ですから病院や言語系教室,カウンセラーでは難しいことは確かです.

      しかも吃音と言う病気そのものが心から栄養を奪う特性を持っているうえ,社会そのものが吃音者の心から栄養を奪っていく傾向にあります.大人になると心への栄養を社会の中で与えざるをえませんので,吃音を治すのは非常に困難な仕事となってしまいます.

      この困難難ことを一人でやり遂げるのにはかなり無理があります.だからどうしてもこれを助ける病院やカウンセラー,理解者などが必要です.吃音の本質をよく見極め理解している優秀な病院やカウンセラーです.都市伝説や古い学説にとらわれず,真理を見極めようとしている病院やカウンセラーです.結果に貢献する必要があります.

      何が吃音の本質なのか?数千人の吃音体験談,吃音完治体験談(掲載はその一部)を「吃音ドットコム」を集めてありますので,お読みになってご自身で,吃音がどういうものかを判断してください.読みやすいように完治談だけをまとめましたが,あまりにも多く一部となってしまっています.

      このサイトには,多くの吃音先人たちからいただいた超良質な情報が詰まっていますし,研究所を始めたきっかけが「あまりにも酷い当時の吃音常識に憤りを感じて」ですから,完全にボランティアベースで続けてきています.その結果,吃音病の本質,年齢に関係なく治る病気,どうなれば治るかなど明らかになりました.そしてそれによってたくさんの吃音者が治っています.本研究所が治したのではありません.親や本人が本サイトで吃音を理解して治したのです.

      しかしこういう特殊なところを別として,真の意味での吃音者のケアーをする優秀な病院やカウンセラー組織ができないと,吃音者を継続的に苦しみから逃れさせることができません.だから有料無料を問わず,吃音の本質を理解した病院やカウンセラー,よりそい人,仲間,グループなどが増えることを願っています.





日本吃音研究所
Stuttering Lab. Japan
Dotcom Stuttering Lab. Japan
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